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投機性強調されがちなバイナリー コツコツ投資にも適すの説

 FX(外国為替証拠金取引)のカリスマトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチする『マネーポスト』の連載「FXトレンドフォーキャスト」。今回は、話題のバイナリーオプションのなかでも要注目の「ラダーオプション」について解説する。

 * * *
 一定時間後の為替レートが上がるか下がるかを予想するバイナリーオプション(以下、バイナリー)は、ギャンブル性が強調されがちだが、実はコツコツ型の個人投資家に適した取引かもしれない。というのも、この年末年始にバイナリーを使った「資金倍増実験」に挑戦したところ、意外にも堅実に資金を殖やせることがわかったからだ。

 2012年11月15日から2013年1月10日までの約2か月で134回取引し、110勝24敗と勝率は8割を超えた。その間、ほとんど原資を割らずに、104万円を174万円にすることに成功した。

 利用したのはIG証券(旧IGマーケッツ証券)の「ラダーオプション」だ。実験を始めた11月中旬の為替相場は動きがほとんどなく通常のFXでは利益を出しにくかったので、相場が横ばいでも利益を上げられそうな商品を探していた。

 ラダーオプションは、決められた時間のレートが設定条件レートよりも上になるかならないかを予想する取引だ。上と予想すれば買い、下と予想するなら売る。設定条件のレートはいくつも提示されており、現在のレートから離れるほど的中した際の利益は大きく、近づくほど利益は小さくなる仕組みだ。

 たとえば、現時点のドル円が90円ちょうどの場合、「89円より上」というオプションAの買い値が90、「92円より上」というオプションBの買い値が20と設定されているとしよう。的中すると100、外れると0との差額で清算され、1単位(100)は10万円。当たる可能性が高いオプションAを9万円で買った場合、的中すれば1万円の儲けとなり、外れれば9万円を失う。

 一方、可能性が低いオプションBは買い値が20と安いので的中すれば8万円の儲けになり、外れても損失は2万円で済むというわけだ。逆に、上昇しないと予想するならオプションを売り、的中すると0、外れると100との差額で清算する。0.1単位から売買できるので、数千円でも投資できる。

 仕組みは一見複雑だが、実際にやってみればすんなり理解できるので大丈夫だ。設定時刻は9時、13時、17時、21時、0時の1日5回で、前日の同時刻の1分後から当日設定時刻の5分前まで売買ができる。

 羊飼いは設定時刻の30分前あたりで相場をチェックし売買している。直前まで待てば当たりやすい反面、価格が99を超えていることも多く、的中してもほとんど儲けが出ないからだ。逆に設定時刻まで時間があるほど価格が安くなって儲けやすいのだが、その分相場が動く可能性が高いので勝率は下がる。1時間から15分前ぐらいの間が当てやすさとリターンのバランスが良いようで、価格が70~90あたりで取引することが多かった。

【PROFILE】「羊飼いのFX(外国為替)ブログ」(http://fxforex.seesaa.net/)が人気のカリスマトレーダー。2001年からFXを開始。「羊飼い」の由来は、高金利の豪ドル(通称・羊)を買って優雅に暮らそうと考えたことから。著書に『ど素人がはじめるFXの本』など多数。

※マネーポスト2013年春号

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