ビジネス

65歳定年制 60歳以降に給料25%以上下がれば雇用保険支給も

 今後60歳を迎える人たちは、それより上の世代と比べ、生活設計が大きく変わってくる。社会保険労務士の野田真史氏が「65歳定年時代」に老後の生活をより豊かにするノウハウを解説する。

* * *
 サラリーマンが60歳以降の生活を考える上で一番重要なのは、当たり前のことだが、「自分の会社の制度がどうなっているか」を知ることだ。

 大企業では再雇用のルールが整備されつつあるが、私が普段話を聞く中小企業の経営者は制度が始まったことを知らない人さえいる。今後少しずつ浸透していくだろうが、多くの企業で「60歳以降は大きく賃金を減らされる」ことは間違いない。

 生活を守るためには正しい知識で“武装”するしかない。では、60歳以降の生活費はどれくらい必要なのか。

 総務省の家計調査(2012年)によると、「世帯主が60歳以上の無職世帯」の消費支出は月に平均約24万2000円、「60歳以上の勤労者世帯」では約30万6000円となっている。持ち家率が約9割となっているから、家賃を含まずにこの支出が必要ということは結構高い。

 医療費や教養娯楽費、交際費が支出を押し上げている。健康で豊かな老後を送るには必要な出費だ。

 60歳から給料が下がれば当然苦しくなるが、さまざまな方法で生活費を補填できる。ぜひ活用していただきたいのが「高年齢雇用継続給付制度」だ。

 勤務年数(雇用保険の被保険者期間)が5年以上あり、60歳以降の給料が60歳時点の75%未満に減った場合、最大で給料の15%(※注1)が補填される。

 例えば、60歳時点で40万円だったサラリーマンの月給が60歳以降24万円に下がった場合、15%の3万6000円が雇用保険から支給される。

 受給するためにはハローワークでの申請が必要で、通常会社側が手続きするが、この制度は会社の人事担当者でも知らないケースが多いので要注意だ。

【※注1】60歳時点の給料から61%以下に下がった人は60歳以降の給料に15%上乗せ、62%の人は同13.7%、63%の人は同12.45%……と段階的に上乗せ率が減り、75%以上の場合は0%となる。

※SAPIO2013年6月号

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン