国内

憲法改正へ向け安倍ブレーンが「公明党との連立解消」進言か

 安倍首相が突き進む憲法改正は、いよいよ最終段階に入りつつあるようだ。ジャーナリスト・須田慎一郎氏が指摘する。

 * * *
 安倍首相を取り巻くタカ派の“おトモダチ”グループが、いよいよ公明党切りに動き出したようだ。

 おトモダチが活動の拠点としているのが、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇・柳井俊二座長)だ。安保法制懇は安倍首相の私的諮問機関で、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能とすることを目的とした「答申」の取りまとめ作業を進めている。

「作業はいよいよ最終段階に入っている。安倍首相はこの『答申』を受けて、これを閣議決定し、事実上の解釈改憲の実現につなげる方針です」(官邸中枢スタッフ)

 しかし首相の思惑に対して、障害になりつつあるのが公明党の存在だ。

「現時点で公明党は解釈改憲に絶対反対の立場です。そのため安保法制懇の会合では公明党批判が噴出しているのです」(前出の中枢スタッフ)

 批判の急先鋒が、北岡伸一座長代理(国際大学学長)だ。

「座長を務める柳井氏がハンブルグ在住のため(柳井氏は同市にある国際海洋法裁判所長のポストにある)、北岡氏が全面的に懇談会を仕切っています。その北岡氏が懇談会の席上、『安倍首相は公明党との連立解消をそろそろ決断すべきだ』と言ってのけたのです」(安保法制懇メンバー)

 取材に対して北岡氏は「そのような事実はまったくない」と否定したが、前出の懇談会メンバーは「今回が初めてではない。これまでも北岡氏はシンポジウムなどで同様の発言をしてきた」と証言する。

 北岡氏は第一次安倍政権時代、日本版NSC設置へ向けて奔走するなど、安全保障政策に関する首相の最有力ブレーンと言うべき立場にある。

 国会論戦を何かと騒がしている小松一郎内閣法制局長官もこの北岡─柳井ラインに連なる人物だ。

「小松氏は、柳井氏が外務省条約局長、駐米大使時代に部下として仕えていた。柳井氏に対して頭が上がりません」(外務省有力OB)

 布陣を見る限り、安倍首相が解釈改憲に向かって突き進む意志は固い。

「そしてそれは米国のジャパン・ハンドラー達、カート・キャンベル前国務次官補、リチャード・アーミテージ元米国務副長官らの描いたシナリオでもあるのです」(前出同)

 だとすれば公明党との連立解消も、米国の意向と見ることもできる。

※SAPIO2014年5月号

関連記事

トピックス

学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
尊富士
5月場所休場の尊富士 ケガに苦しみ続ける相撲人生、十両転落で「そう簡単に幕内復帰できない茨の道」となるか
NEWSポストセブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン