ツイッターでは毎日、罵詈雑言が飛び交っている。フェイスブックでは義理で「いいね」を付けることも少なくない。ネットの人間関係にいささかウンザリしてきたあなたにお勧めなのが、「大人のホメ言葉」だ。相手を立てつつ適当な距離感を置くことで、自分をすり減らさずに済む。達人の大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が指南する。
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世の中には今日も暗いニュースや厄介な問題があふれています。あちこちで対立の構図が生まれ、どちらかの意見を支持すれば、相手に憎しみをぶつけたり罵声を飛ばしたりせずにはいられません。ああ、なんて世知辛いのでしょう。
私たちはちょっと油断すると、毎日をギスギスした気持ちで過ごす羽目になります。そんな状況を救ってくるものは何か。それは「ホメ言葉」に他なりません。「ホメ言葉」は相手も自分も幸せになるために発せられるものであり、相手に迎合する「お世辞」とは似て非なるものです。「ホメ言葉」を果敢に繰り出して、幸せを引き寄せましょう。
善は急げというか鉄は熱いうちに打てというか、ビジネスパーソンのみなさんが、オフィスや居酒屋などで「今日すぐに使える10のホメ言葉」をご紹介します。
「匠の技とはこのことですね」
頼んだ仕事をきっちりやってもらったときに。会議室の椅子を並べたりコピーを取ったりなど、割と簡単な仕事のときにこそ、あえて使いたい。
「なかなかそこまでは気が回りませんよね」
上司や先輩が、自分がいかに気が利く人間かという自慢話をしているときに。たいてい誰でも気が付く程度の話だったりするが、ひるむ必要はない。
「目の付けどころが違いますね」
何人かでランチに行って、誰かがひとりだけ違うメニューを頼んだときに。上司や先輩が、居酒屋でマイナーなおつまみを頼んだときにも使える。
「あちこちで評判ですよ」
「御社の新商品、あちこちで~」など、話題になっているネタがある会社の人に。本当に評判になっているかどうかは気にしなくてもいい。
「いい店を知ってらっしゃいますね」
目上の人が、自分の行きつけの店に飲みに連れていってくれたときに。頭に「さすが」や「やっぱり」をつけると、さらに喜んでもらえる。