投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月10日~4月14日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は弱含みか。6日-7日に行われた米中首脳会談を経て、対米貿易黒字を続けている日本などに対してトランプ政権が何らかの是正を求める動きが活発化しそうだ。市場関係者の間では「日本の円安誘導策は転換を迫られる」との思惑が浮上しており、思惑的な円買いが継続するとみられる。
米国によるシリア攻撃は地政学的リスク増大の要因となり、シリアに対する軍事行動がエスカレートした場合、米国株を圧迫する可能性があることもドル上昇を抑える一因となりそうだ。
ドル・円は昨年11月9日の101円20銭から12月15日の118円66銭までの上昇の半値戻しとなる110円レベル(109円90銭近辺)を割り込む可能性がある。また、トランプ政権による国内向けの景気テコ入れを柱とする経済政策の導入はかなり遅れるとの見方が増えている。税制改革への期待は残されているものの、短期的には米国株の伸び悩みも想定されており、税制改革(減税策)への期待はドルの下支えにはなりにくいだろう。
一方、米経済指標は引き続き堅調な内容が予想されており、米連邦準備理事会(FRB)による年3回(3月を含む)の利上げペース維持を後押ししそうだ。ただ、次回利上げについては、6月以降になると予想されており、ドル高・円安基調に転換させるほどの影響力はないとみられる。
【米3月労働市場情勢指数(LMCI)】(10日発表予定)
10日発表予定の米3月労働市場情勢指数(LMCI)は、FRBの次回利上げの手がかり材料として一部で注目される。1月と2月はともに+1.3で推移。3月の指数もプラスとなった場合、早期利上げを後押しする材料となりそうだ。
【米3月消費者物価コア指数(コアCPI)】(14日発表予定)
14日発表予定の3月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+2.3%と予想されており、2月の+2.2%をやや上回る見込み。コアインフレ率は2%台前半で推移しているが、予想通りであれば市場コンセンサスである年3回の利上げ期待は持続するとみられ、ドル買い要因となろう。
・4月10日-14日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。