国際情報

「支那」をNGワードに指定 支那が「中国」を強制する理由

支那はChinaと同原の言葉 代表撮影/AP/AFLO

 使ってはいけない言葉を政府が決めるという馬鹿げた話が中国で大真面目に進んでいる。呉智英氏は背景に日本への差別意識があると看破する。

 * * *
 九月五日の朝日新聞に北京支局発のニュースが載った。支那政府が企業名に使われるべきではない「NGワードを決めた」というのである。中には「海洛因(ヘロイン)」など、確かにまずかろうと思うものもある(とはいえ、海洛因商事などという企業名があるとは考えにくいのだが)。しかし、「中国の蔑称『支那』」もその中の一つとあっては、笑い話ですますわけにはいかない。

「支那」は英語のChinaと同原の言葉で、支那を指す世界共通語である。支那最初の統一王朝「秦」を起原としている。これが蔑称のわけがない。「支那」が蔑視の文脈で使われることが多いというなら、Chinaだってそうだ。欧米で、あいつはChineseみたいな奴だと言う時、支那人みたいにかっこいいという意味など決してない。必ず悪い含意がある。私がスペインの田舎町に行った時、子供たちが私を指さしてChino Chino(チノ チノ)と笑った。西洋人は概して東洋人を蔑視してきた。

 こうした西洋の東洋人蔑視に抗議するというのなら分からないではない。しかし、支那政府は、英米にもフランスにもスペインにも、Chinaと呼ぶのをやめよ、ChugokuもしくはCentral Land(中央の国)と呼べと言ったことは一度もない。必ず日本に対してのみ、こうした無茶苦茶な要求、というより差別的な要求をしてくるのである。

 なぜ、これが差別的な要求なのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン