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世界で一大ブームの「大豆」 海外では長らく“家畜の餌”という認識だった

一見、チーズのパッケージのように見えるフランスのオーガニック専門店で販売されている豆腐。左から木綿、絹ごし、燻製味、バジリコ味、トマト・パプリカ味(羽生さん撮影)

一見、チーズのパッケージのように見えるフランスのオーガニック専門店で販売されている豆腐。左から木綿、絹ごし、燻製味、バジリコ味、トマト・パプリカ味(羽生さん撮影)

 世界で大豆ブームが巻き起こっている。フランス在住のジャーナリスト、羽生のり子さんが指摘する。

「大豆が体にいいという認識はフランスでも浸透していて、オーガニックのお店に行けば必ず豆腐が売られています。ですが、フランスでは“バジリコ味”や“パプリカ味”など味付きの豆腐が好まれていて、日本でおなじみの『木綿豆腐』は、食べ方がわからないので敬遠されています」

 大豆を主原料とした代替肉も世界で一大ブームとなっているが、海外では長らく大豆は「家畜の餌」という認識だった。名古屋学芸大学健康・栄養研究所所長の下方浩史さんが言う。

「南米のパラグアイでは大豆が豊富に生産されていますが、食べる人はほとんどいない。『どうして食べないのか』と尋ねたら、『大豆は動物の餌。人間が食べるものじゃない』と言われました。『おから』も、豆腐を作るときのカスというイメージで、海外の多くの国では豚の餌として使われています」

 健康食として広まっている大豆だが、一方で、健康リスクを指摘する意見も少なくない。こくらクリニック院長の渡辺信幸さんは、大豆の食べすぎに警鐘を鳴らす。

「大豆を『植物性たんぱく質』などとありがたがって、これほど日常的に食べているのは世界で日本人だけ。大豆イソフラボンは、発がん性や乳がんの再発リスクが指摘されています」

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