国内

乳がん検査、第一選択はマンモグラフィー 超音波との組み合わせで発見率上昇も

(写真/GettyImages)

乳がん検査、第一選択はマンモグラフィーだという(写真/GettyImages)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大きな病気の早期発見につながる「検診」を控える人も少なくない。新型コロナよりも深刻な大病が見つかって手遅れになる前に、受けておくべき検診とはなにか。

 ここ50年で罹患者数が5分の1に激減した胃がん。それには理由がある。住吉内科消化器内科クリニック院長の倉持章さんが指摘する。

「胃がんの“主犯”がピロリ菌であるとわかり、全国で除菌が進んでいることが挙げられます。だから、ピロリ菌の有無は検査によって明らかにしておくべきです。血液で調べることができるうえ、衛生環境が整った現代の日本において成人した後にピロリ菌に感染する可能性は非常に低いため、受ける必要があるのは基本的に一生に1回のみ。費用も自治体の制度を利用すれば500円程度と手頃です」(倉持さん)

 ピロリ菌の保持率は年代が上がるほど高くなり、70才だと8割、50才くらいで5割、20代でも2割弱といわれている。

「5才くらいまでに井戸水を飲んだり、井戸水で冷やした果物を食べたりした人が感染するとされるため、心当たりがある人は特に気をつけてほしい」(倉持さん)

 胃がん検査において未経験であれば受けておくべきなのは胃カメラも同様だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが言う。

「胃がんや食道がんだけではなく、胃炎や食道静脈瘤など上部消化器の異常を1度の検査で幅広く見つけられる、科学的にも意義があると認められた検査です。1回受けたら、その後は頻繁に受ける必要はないとされます。未受診の人はこの機会にぜひ受けてほしい」(室井さん)

 こうした“二段構え”は乳がん検査においても有効だ。ときわ会常磐病院の乳腺外科医、尾崎章彦さんが解説する。

「標準的な検査方法はマンモグラフィーです。日本では一般に超音波による検査も行われていますが、死亡率が下がるというデータは確立されておらず、その役割は補助的です。ただ、40代の女性はマンモグラフィーと超音波を組み合わせることで発見率が上がるという調査結果もある。マンモグラフィーを基本にしつつ、胸の状態次第で医師と相談の上、数年に1度、超音波を加えるのは悪くないと思います」(尾崎さん)

 ただし同じ超音波であっても「腹部」であればその精度は格段に上がる。

「腹部超音波検査は胆石やすい臓がん、脂肪肝などが見つかる、情報量が多く精度も高い検査です。一度に複数の臓器が調べられることに加え、侵襲が低く痛みがないことも推奨ポイントです」(倉持さん)

「婦人科検診」も必須だと倉持さんは続ける。

「子宮がん検診は子宮頸がんと子宮体がんの両方を検診対象にするべきです。子宮頸がんは『HPV(ヒトパピローマウイルス)』というウイルス感染によるもので、子宮体がんは多産ではない女性がなりやすいとされる。現代女性はいずれもリスクが高まっており、受診は必須です」

※女性セブン2022年7月28日号

施設を選ぶ際はなるべくスタッフが多く、アフターケアがしっかりしているところに

施設を選ぶ際はなるべくスタッフが多く、アフターケアがしっかりしているところに

毎年検診を受けていた人も受信控えの傾向

毎年検診を受けていた人も受信控えの傾向

コロナ禍で健康診断の受診率は急低下した

コロナ禍で健康診断の受診率は急低下した

いますぐ受けるべき検診・検査一覧

いますぐ受けるべき検診・検査一覧

いますぐ受けるべき検診・検査一覧

いますぐ受けるべき検診・検査一覧

検査を受けてはいけない

検査を受けてはいけない

関連記事

トピックス

世界で活躍する真田
【全文公開】真田広之がサシ飲みでエール 俳優転身の次男・手塚日南人が明かす“知られざる離婚後の家族関係”
女性セブン
兄弟
《愛情秘話》平野紫耀&莉玖兄弟、病気を乗り越え育ててくれた母への感謝「頑張っているのは親のため」「ダンスに関しては厳しかった」
女性セブン
高橋一生&飯豊まりえ
福山雅治&吹石一恵、向井理&国仲涼子、高橋一生&飯豊まりえ…「共演夫婦」の公私にわたる絶妙なパワーバランス
女性セブン
手指のこわばりなど体調不安を抱えられている(5月、奈良県奈良市
美智子さま「皇位継承問題に口出し」報道の波紋 女性皇族を巡る議論に水を差す結果に雅子さまは静かにお怒りか
女性セブン
小沢一郎氏の「知恵袋」と呼ばれた平野貞夫・元参議院議員(写真/共同通信社)
【官房機密費を知り尽くした男】平野貞夫・元参院議員が語る“授受”のリアル 「本格的に増額されたきっかけは日韓国交正常化」
週刊ポスト
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
「マッコリお兄さん」というあだ名だった瀬川容疑者
《川口・タクシー運転手銃撃》68歳容疑者のあだ名は「マッコリお兄さん」韓国パブで“豪遊”も恐れられていた「凶暴な性格」
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン