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耳鳴りが示しているかもしれない重病 脳腫瘍は「キーン」、動脈瘤は「ザッザッ」

病気のサインかもしれない「耳鳴り」とは?(イメージ)

病気のサインかもしれない「耳鳴り」とは?(イメージ)

「耳鳴り」は歳を取るほど症状が出やすく、国立長寿医療研究センターによると、70代の日本人の約45%が耳鳴りに悩まされているという。しかし、この「耳鳴り」には重大な病気の予兆が隠れていることもあると専門家は指摘する。特に注意が必要な「音」は何か聞いた。

頭の動脈から音が鳴る

 まず注意したいのが、高音性の耳鳴りに隠れた病気だ。耳鼻咽喉科望月医院院長の望月義也氏が解説する。

「高音の耳鳴りには、突発性難聴などの内耳病変以外に耳の機能を支配している部分の“脳の病気”の可能性もあります。脳梗塞や脳出血が起こると体の片側だけに麻痺などの不具合が起こるように、聴覚に関係する脳幹などの器官で病気が起こった場合は片側だけの耳鳴りとして症状が現われるケースがあります」

 脳の異変は聴覚に伝わりやすい。脳に関わる病気のなかでも、危険なのが脳腫瘍の一種である「聴神経腫瘍」だ。耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック院長の大河原大次氏が言う。

「聴神経にできた腫瘍が神経を圧迫し、急に『キーン』という高音の耳鳴りが片耳に生じることが多い。良性腫瘍なので転移はしませんが、放置するとどんどん大きくなって脳の他の部位を圧迫することで麻痺やめまいなどが生じ、最悪の場合は命に関わります」

 一方、血管系の不調から生じる耳鳴りも命に関わる危険性がある。秋津医院院長の秋津壽男氏が指摘する。

「『ザッ、ザッ、ザッ…』と脈拍に呼応するような耳鳴りがしたら注意しましょう。蝸牛の近くを通る脳動脈に未破裂の動脈瘤がある可能性があります。この動脈瘤が破裂したりプラーク(血管を塞ぐ病変)が剥がれ落ちたりすれば、脳出血や脳梗塞につながります」

 脈拍と呼応する耳鳴りはほかにも「ドク、ドク」「キン、キン」「ザー、ザー」などのパターンがあり、これらを「拍動性の耳鳴り」と呼ぶ。川越耳科学クリニック院長の坂田英明氏が言う。

「拍動性の耳鳴りの発生は稀ですが、原因としては脳にできた腫瘍などの病変、脳に流れる血液の不足などが考えられ、脳腫瘍や脳出血、脳梗塞が隠れていたケースもあります。そうした耳鳴りは頭の中で音が鳴っているように感じられるので、『頭鳴り』と呼びます」

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