ネット記事にコメントを付けて紹介する「キュレーション」をする人がいる。元々有名ジャーナリストたちが行い始めたのだが、真似て怪しい記事を「これは良記事」と紹介してしまう痛い人たちもいる。どうすれば「意識の高いキュレーター」になれるのか、作家で人材コンサルタントの常見陽平氏がガイドする。
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皆さん、「キュレーション」ってご存知です? 新しいコンセプトなので、定義は揺れているのですが、「ネット上の情報を収集し、まとめたり、分類したり、つなぎあわせて新しい価値を持たせて共有すること」のようです。
より具体的に言うと・・・。例えば、TwitterなどでニュースのURLなどを自分の解釈、解説などを加えて共有するなどの行為などはキュレーションの例としてあげられますね。
他にもTwitterのつぶやきをまとめるサービスTogetter、様々なリンクをまとめて共有するNAVERまとめなどが話題になっていますね。これらもキュレーションサービスだと言われています。
そして、キュレーションを行う人は「キュレーター」と言われています。
ITジャーナリストの佐々木俊尚氏などが広めたコンセプトですね。佐々木氏の「これは良記事」などのコメントと一緒にニュースなどを共有するツイートはあまりに有名ですね。
ただ・・・。このキュレーションですが、意識の高い系の人たちが真似してやっているのですけど・・・。見ていて痛々しいのですよ。いちいち解釈が浅かったり、間違っていたり、背伸びしているのが明らかだったり・・・。佐々木俊尚氏を真似して「これは良記事」と言ったところで、リンク先の記事に信ぴょう性がなかったらかっこ悪いですよね・・・。
自分は主に雇用・労働について研究していて、あとこう見えてビジネスプラン、特にネットを使ったビジネスには相当うるさいのですが、意識が高い系の人たちが、欧米礼賛ツイート、ネット礼賛ツイートなどをしていて、それがRTされてたり、「いいね」がいっぱい押されていると「イラッ」っとしてしまいます。おもわずdisりツイートをしたり、Facebookでもdisりコメントを入れてシェアしたりします。私なりの反抗です。
自分はキュレーション的なことはあまりしない人ですが、数々の痛いキュレーターを見てきたわけです。かなり領空侵犯ですが、彼らがキュレーターとして一皮むけるためのコツを伝授したいと思います。意識の高い奴らに武器を配る。まさに、敵に塩を送るではありませんか!
ヒントは・・・。自分は、クラブのDJ、音楽のプロデューサー、ラジオのパーソナリティーだと思え、ということですな。この見立ては、先日、文化系トークラジオLifeに出演した際に、楽屋でのチャーリーこと関西学院大学准教授、鈴木謙介先生との会話で学んだことです。
その時に話題になったのですが、キュレーションというのは、昔、流行った「テープ作り」に近い、と。20代の方はなんのことかわからないかもしれませんが、好きな曲などをまとめてテープを作るのが、昔、流行ったわけですよ。この時に問われるのは、選曲のセンス、順番などですよね。さらに言うならば、ソーシャルメディアというのは、いったん録音して終わりのテープともまた違います。ライブなのですね。だから、DJに近いとも言えます。
佐々木俊尚氏の真似をしてキュレーターごっこをやっている意識の高い人wは、次の点にこだわると、一皮むけるのではないでしょうか?
・紹介する記事の順番にこだわる
→順番にはちゃんと意味があります。どの順番で紹介するのが、理解しやすいのか。あるいは、最初のつかみを何にするか、など。
・記事のソースにこだわる
→新聞記事でもそうですが、同じ事件でも紹介のされ方は違いますよね?もっとも適切で、読みやすい記事はどれかを考えてみましょう。
・紹介するタイミングにこだわる
→みんなの1日のスケジュール、気分などを考えてみましょう。タイミングによって拡散度合いは違います。
・誰に読ませたいかを考える
→もっとも読ませたい読者を絞るといいでしょう。誰にどんな反応をさせたいか、と。広くあまねく伝えたいと思うと、誰にも伝わりません。
・解釈に魂をかける
→これが、単なる受け売りかそうじゃないかを分けるポイントです。なので、最初は専門分野からやるのが無難でしょう。
・自分ならではの言い回しにこだわる
→これもらしさですね。いまさら「良記事」と連呼しても、佐々木俊尚氏の劣化コピーが増殖するだけです。まあ、ここにこだわりすぎるのも痛いセルフブランディングみたいですが。類語辞典を使うと、言い回しが豊富になりますよ。
私だったらこうしますね。暇人じゃないのと、そこまでお人好しじゃないので、やりませんけどね。意識の高い皆さん、お試しあれ!