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海外駐在では「あえて型落ちの車を使う」目立たぬ心がけ必要

 アルジェリアでのテロ組織による人質事件で、多くの日本人が巻き込まれ、10人が死亡した。アルジェリア以外でも、実際に事件や紛争に巻き込まれることもある。元味の素ラテンアメリカ本部長で海外職業訓練協会国際アドバイザーの酒井芳彦氏は、1996年のペルー日本大使公邸人質事件で人質にされた経験を持つ。

「あの事件から海外駐在員の危機管理が整備されるようになりましたが、一人ひとりの日々の心がけが一番大事。目立つ服装や行動は慎み、あえて型落ちした車を使うような細心の注意が必要です」

 中東駐在が長かった建設会社OBは、1985年にイラン・イラク戦争を体験した。

「テヘランへの空爆が始まり、幼い2人の子と妻ともども防空壕のような家で待避しました。爆撃が止むのを待ってホテルへ行き、自力で帰国便の手配をしました。当時、私たちを含む216人の日本人が現地に取り残されて、生きた心地がしませんでした」

 当時を思い出すと、今も背筋が寒くなるという。

※週刊ポスト2013年2月8日号

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