ライフ

勝ち組になるには「朝ご飯」 脳の体積アップとの調査結果

“食べた方がいい”とわかっているけど、ついつい「あと5分」と睡眠欲を優先してしまい、おろそかになりがちな朝ごはん。しかし受験や仕事に成功している人は、「毎日朝ごはん習慣」を持っているというデータが出ている。『脳トレ』など脳機能開発で著名な東北大学・川島隆太教授の行なった調査によると、高額所得や志望校合格といった、いわゆる勝ち組と朝ごはん習慣の関係性が明らかだという。

 35~44歳のビジネスマン500人にアンケートを実施し、朝ごはん習慣と年収を聞いてみたところ、毎日朝ごはんを摂っている割合は「1000万円以上」82.0%、「700~1000万円未満」81.0%、「500~700万円未満」78.0%、「300~500万円未満」74.0%と、高所得層ほど毎日朝ごはんを摂る習慣を持っている人が多い。また“勝ち組意識”として「第一志望の道に進んでいる」と感じている人の場合、毎日朝ごはんを摂っている人の割合は84.6%とかなり高めだ。

 そして受験シーズンのこの時期、受験生やその家族にとってより高い志望校への合格のためなら、何でも試してみたいところ。そこで第一志望合格率を見ると、朝ごはんを「毎日は摂らない」人の合格率42.3%に対して、「ほぼ毎日摂り続けている」人は50.0%。ここでも朝ごはん習慣の違いで、差がついているようだ。こうした「朝ごはん習慣」と「成功体験」との関係性や、より良い朝ごはんについて川島教授に聞いてみた。

「朝ごはんを食べるかどうかで、午前中のヤル気が2割くらい違います。成功体験や“自分は成功している”と感じることは、ヤル気によって左右されますから、毎日のヤル気の積み重ねによって大きな差が出てくる。脳の活性化という点において、朝ごはんを食べないと、1日が“マイナスからのスタート”になるんです。

 良い朝ごはんのポイントは、できるだけ多くの品数のおかずを食べること。目標数を決めてしまうと、それに達しないと朝ごはん自体をあきらめてしまう人もいるので、数を決めない――でも“1つでも多く”と意識することが大切です。

 とはいえ朝、たくさんのおかずの準備をしようと思うとハードルが高くなります。ここは発想を転換して、“夜のうちに、朝ごはんの用意をする”“時間のある時に、朝ごはん用のおかずを作り置きしておく”というのがオススメです。講演会等でこの朝ごはんの準備について話すと、『目からウロコです』という人が多いのですが、“朝が得意な人は、朝作る。朝が苦手な人は、別の時間を使えばいい”と単純に考えれば、いいと思いますよ」

 最近では外食でも朝メニューの充実や、朝ごはんがメインの海外発レストランが人気になるなど、外食産業でも朝食への関心が高まっている。また“勝ち組”と朝食に関する究極的なメニューとしては、以前から高級ホテルには「モーニングステーキ」を用意しているところも多い。

 エグゼクティブが好むという「モーニングステーキ」がメニューにある、名立たる高級ホテルのラインナップを眺め“朝からステーキを食べると、脳にさらなるパワーアップが見込めるのか!?”と思ったのだが、川島教授いわく「朝からステーキを食べられるのは、健康管理ができている証拠でしょうけど、モーニングステーキと年収の因果関係はデータがないですね(笑い)」とのこと。

 朝の外食が盛り上がる一方で、“朝は家庭の味が落ち着くけど、バリエーションが……”という人には、農林水産省の「めざましごはん」のサイトが、短時間でバランスの良い朝ごはんレシピが充実していて便利だ。

 食デザイナーで管理栄養士の平野美由紀さんが提案する朝丼メニューを見てみると、受験生向けの「蒸し焼き野菜の2色丼」は、ほうれん草やにんじんの緑黄色野菜のほか、ツナやハム・チーズといった子供が好きな食材に加え、にんじんに絞りかけるレモンの酸味が目覚めの気分を高めそう。丼というワンプレートながら、品目数も多くて栄養バランスが良さそう。

 また朝ごはんのメニューというと、準備の手軽さなどから「朝はパン」という人も多いが、パンとごはんでは、どちらが良いのだろうか? 川島教授は「ごはんの方がいい」と語る。

「食べないよりは、食べた方がいいのですが、パンとごはんを比較すると、オススメはごはんです。パン食とごはん食の子供を比較した調査では、ごはん食の子の方が『知能指数が高い』という結果が出ました。そこで脳を調べてみたところ、ごはん食の子は大脳の神経細胞層の体積がパン食の子に比べて大きく、その差が知能指数に現れたと考えられます。

 脳に大事な栄養はブドウ糖なのですが、糖だけでは脳は発達しない。栄養学的な話になりますが、パンとごはんではGI値がパンの97~98に対して、ごはんは70――同じ主食でも栄養という面で、GI値の低いごはんの方が良いんですね。また繊維質の多いおかずは、血糖値を緩やかに上昇させる働きがあるなど、栄養バランスの良い食事は脳にも影響するんです。

 先ほど“おかずの種類が多いほど良い”という話をしましたが、パンはおかずがなくても、パンだけで食べることに抵抗がない。一方ごはんは、おかずがないと食べにくい。主食のGI値だけでも、ごはんの方に優位性がある上に、おかずの栄養素が加わることで、よりバランスのとりやすい食事になります。

 ごはんの方が良いとは言っても好みもありますから、朝はパン食の人の場合、精製された小麦を使った食パンではなく全粒粉を使ったパンにして、おかずを多く摂るようにすればバランスが良くなります。元々ごはん食の人は、白米から繊維質の多い玄米や雑穀米に切り替えると、さらにいいですよ」(川島教授)

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン