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「なら婚」時代 招待客同士が「絆」感じるカギは「映像」

結婚式シーズン。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、結婚式場が式を取り扱う件数は平成12年度で9万745件だったのに対し、年々減り続け、平成24年度には5万3,277件。厚生労働省発表の婚姻件数では平成12年度が79万8140組、平成24年度は66 万 8788 組。割合でみると、式場で式を挙げるカップルは確かに減っている。

一時は結婚式もしない、披露宴もしない「ナシ婚」などという言葉も登場したが、2013年10月3日から、日本テレビで「なら婚」という番組がスタート。番組コンセプトは“○○なら”というワガママを叶えて、素敵な結婚式をあげたいというカップルを応援するというものだ。

時代とともに、結婚式のあり方も変わってきた。フリーウエディングプランナーの岡村奈奈さんによると、80年代に「ハデ婚」、90年代に「ジミ婚」、そして2000年代前半には「アットホーム」2000年代後半は「二人らしさ」などがキーワードに。

「そもそも、“大々的に人を呼んで、夫婦としてお披露目する”という日本の結婚式の文化は、終身雇用制度があるなかでできたもの。当時はみんなと一緒のことができてこそ“一人前”、“自分たちらしさ”は後回しでした。その制度が当たり前ではなくなった今、そういった式の形態が今の時代に合っていないのです」(岡村さん)

インターネットが普及し、ネットで口コミなどを気軽に閲覧したり、情報収集ができるようになった頃、「らしさ」を求めるようになってきた。そこで大切にされたのは、「招待客が心地良いかどうか」ということだ。

岡村さんは、「今は新郎新婦が主役というのはNGワード」という。嫌われたくない、迷惑がられたくない――。そこで料理にもこだわり出すようになる。今の結婚式のキーワードが「なら婚」ということについて、岡村さんは、

「結婚式に出てくるあらゆるものは、縁起物。伝統、歴史が長いものもあるし、後付けのものが混じっているものもある。形にとらわれたくないけれど、縁起をかつぎたいのも本音。さらにネットなどの、さまざまな口コミによって迷う人も多くなっています。そのため、実は“本当のこと”っていうのがわからなくなっている時代」

と解説する。さまざまな価値観が入り交じった現代に、岡村さんがもっとも心がけているのは「バランスを保つこと」。「新郎新婦の要望ばかりきいて、お客様が本当に喜ぶのだろうか。参加型にしすぎて、料理を楽しめないのではないかなどです。伝統と時代、社会と個人、お客様と式場などのバランスを重視しています」と、ますますウエディングプランナーの手腕が問われていることを実感する。

そんななか、新郎新婦や招待客がこだわる傾向にあり、招待客にも好評なのが「映像」だという。余興のかわりとして招待客が用意する場合と、新郎新婦がつくる場合の両方がある。

もともと披露宴というものは、出席者どうしが全て知り合いというわけではないことや、さまざまな世代が同席するところに“楽しませる”難しさがあった。それを、「映像」という形で新郎新婦のことを一歩引いた形で映し出すと、観ている方もドラマを観ているように引き込まれるというわけだ。

そういった映像は「寿ビデオ」 としてネット上に多数あがっており、見知らぬ人の動画でも人気。海外の人気動画では、数百万のアクセスを数えるものもあるほどだ。最近では、企業が応援する動きも出てきている。アクサダイレクト生命は、”見た人を幸せにする”ことを審査基準に大賞を決める動画コンテスト「寿ビデオ大賞」を25日まで開催しており、サイトにはさまざまな応募作品が公開されている。

「披露宴というのは新郎新婦のことを知ってもらう場です。新郎新婦も、誰がどの時代の友達、といったことを知ってもらい、招待客同士と一体感を得たいという希望があります。そして映像なら、エピソードに加えてその時々の感想や感謝の言葉も加えられる。自分たちの記念というよりは、来てくれた人の記憶に残りたい、という思いです。セレモニーというよりは、“イベント”として成功させたいというような感じです。

 また、例えばアルバムを映像にするとき、実家に帰って、昔の写真を一緒に選んだりして、掘り起こす。そういう場で、改めて感謝の気持ちを伝えるといった“親子の素敵な時間”を共有できるというメリットもありますね」(岡村さん)

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