夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、証券会社勤務のご主人(52歳)。奥様(52歳)の得意技は「噂ばなし(話)」と「立ちばなし(話)」です。
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休みの日は二人でスーパーへ買い出しに出掛けるんですが、「アラッ! 奥様、実はねぇ……」。顔見知りの主婦に会うと、買い物そっちのけで立ち話です。
「立って話すのって疲れるだろう。ファミレスとかに行けば?」というと、「お店に入って『さぁ話そう』ってなると何も話題が出てこないのよ。『ちょっと立ち話』っていうのがいいの」。何が「ちょっと」だよ、2時間も話しているくせに。
今年の正月は「いつも来てもらってるから、今年は私が行くわよ」と、僕の母が我が家に。出迎えた女房。「お義母様、お久しぶりです……」と、玄関先で立ち話。体型が「くびれなし」で肉襦袢(にくじゅばん)の女房は平気ですけど、母は寒くて堪りません。大きくクシャミをし、「悪いけど、中に入れてくれない?」。2日後、「まさか嫁に風邪を引かされるとは思わなかったわ」。皮肉まじりの電話がありました。
※週刊ポスト2014年1月31日号