英語くらい話せて当たり前…になりつつある今の時代。おじさんだって、頑張って英語を勉強すべきだとは思いますが、まったく向いていないというパターンも。家族で大衆食堂を営む女性Kさん(50才)が、夫(49才)のトホホなエピソードを披露します。
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ある夜、テレビを見ていた夫が「だよなぁ。これからは国際化だよ、英語だよ」って、似合わないことを言い出したの。なんのことはない。聞き流しで有名なCMを見て、すっかりその気になっちゃったってわけ。
てかさ。私も夫も海外になんか行ったことないのに、なんで英語よ。定食屋のおやじがどこで英語力を披露するわけ? 私が止めるのもきかず、勝手に注文して1か月後。
「ふざけんなよっ。おいっ、CMと話が違うじゃね~か。ぜんぜん英語がわかんねえぞ」とイヤホンを放り投げて私に八つ当たり。
「1か月じゃ結果出ないって。せめて3か月続けたら?」と言うと「いや、違うね。耳で覚えるのはオレには合わねえんだよ。そういや、英字新聞を見て英語を勉強したって話、聞いたことあるぞ。耳より目だ。英字新聞、買ってこいや」と。
んなバカなと呆れつつ、英字新聞を渡したら、店の椅子に短い足を組んで座って数分。固まっているから「どう?」と聞いたら「こりゃダメだ」。やっと夫もわかったか~と思った私が甘かったね。
「字がちいせえ。べりーすもーる。まずは新しい老眼鏡を買ってからだな」だとさ。人間、夢がみられるうちが華かもね。
※女性セブン2014年2月20日号