国内

沖縄教科書論争 2社の強制連行と外国人参政権の記述を比較

 沖縄県で「教科書問題」が発生している。沖縄県竹富町が八重山地区の採択に反した教科書の使用を決めたことが発端だ。

 沖縄県の石垣市・与那国町・竹富町の1市2町は、八重山地区採択協議会をつくり、これまで同一の教科書を採択してきた。平成23年の夏の採択で同協議会は中学公民教科書に育鵬社版の使用を決定。ところが竹富町はこれに従わず、東京書籍版の使用を決め、今年度もその方針を継続している。これが採択地区で同一の教科書を使うと定めた教科書無償措置法に違反しているとして、文部科学省は今年3月に竹富町に是正要求を出したが、竹富町側は応じない構えだ。

 実際に、中学の歴史と公民の教科書の記述内容はどれほど異なるのか。まず、戦時中の強制連行についてだが、東京書籍版では〈植民地統治の時代に、日本への移住を余儀なくされた人たちや、意思に反して日本に連れてこられて働かされた人たちとその子孫も多くいます〉と、朝鮮人の強制連行があったことを匂わす記述。

 外国人参政権について、東京書籍版は、在日韓国・朝鮮人について、人種差別や障害者差別と並記し、〈歴史的事情に配慮して、人権保障を推進していくことが求められています〉と、外国人参政権を認めるべきとの論調を展開。

 育鵬社版では〈選挙権や公務員になる権利は、国家の意思を形成するという国民主権にかかわる権利であるため、本来、国民のみに保障された権利であると考えられています〉と、参政権が国民固有の権利であることを強調。別ページのコラムでも、〈日本国憲法でも「国民固有の権利」(15条1)とされています〉とし、ほとんどの国で外国人参政権が認められていないことに触れている。

※週刊ポスト2014年5月2日号

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