『正しい日本語の使い方』(エイ出版社)の著者である、国語教師の吉田裕子さんは、聞きにくいことを聞き、話しにくいことを話すには覚えておくべきコツがあるという。
聞きにくいことを聞くには、「まずは相手が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。クッション言葉で前置きをして、和やかに会話を進めましょう」(吉田裕子さん、以下「」内同)。
自分の話を先にすることもポイント。ちょっとかっこ悪い自分の話を先にすると、相手は親近感を覚えて似たような経験談を話し出す可能性が大。
WHYではなくWHATで聞くことも大事だ。「なぜ(WHY)できなかったの?」と聞かれると、相手は責められた気分に。「原因は何(WHAT)だろう?」と問いかけると話しやすくなる。
遠まわしに本題に近づくテクも。障りのない質問をいくつか重ねると、相手は答えグセがつき、そのまま質問にぽろっと答えてしまう傾向がある。
話しにくいことを話すときにもちょっとしたコツがある。
「重々しく話してほしいかたと、軽く話してほしいかた、2つのタイプがいます。相手がどちらか、まずは見極めることがポイントです」
形式重視タイプには、きちんと場を設け、『あなたに力になってほしい』という真摯な思いを率直に伝える。
重い話が苦手なタイプには、内容に直接関係のない他人の話から、「そういえば」と思い出したふうを装い、本題を切り出す。
ついでのように本題に近づくのも、話しにくいことを話すときのポイントだ。「部屋の掃除をしてて思い出したけど…」と、自分も忘れていた、大したことではないけれど、とほのめかす。
※女性セブン2014年5月22日号