ライフ

夕日にはシミ発生させる「UVB」が含まれないので素肌散歩可

「美白有効成分は20種類もあるというけれど…」「メラニンの生成を抑えるものと、排出を促すものとどう違うの?」「最近、ちょっとしたことで肌がかぶれるようになって心配」

 紫外線量が増えるシーズンを迎えて、やっぱり美白が気になる人は多いはず。白斑問題などもあって安全面も気になるなか、美白するにはどうしたらいいか、東京工科大学応用生物学美科学研究室教授・医学博士の前田憲寿さんが答えてくれました。

 * * *
 目には見えない太陽光の代表格として挙げられる紫外線(UV:Ultra Violet)には、UVAとUVBの2種類があります。細胞のDNAにダメージを与え、シミを発生させるのがUVB。UVBを受けた肌は炎症(赤くなる)を起こし色素沈着(黒くなる)します。一方、UVAは、一時的に皮膚を黒く(即時型黒化)し、UVBによる炎症から守る働きをしますが、その後肌は元の肌色に戻ります。

 夕日にはUVBが含まれていません。夕日の赤い光を浴びると、肌の代謝が高まり、真皮のコラーゲン合成が促進される効果も。事実、医療現場で皮膚の再生を促進させる治療には、赤色LEDが使われています。夕方の素肌散歩は、かえっておすすめですよ。

 紫外線から肌を守るという意味では、もっとも有効なのは日傘。とにかく直射日光を浴びない、肌を赤くしないことが非常に重要です。毎日のスキンケアとしては、SPF20・PA+程度の下地やファンデーションで充分だと思いますが、子供用の日焼け止めなら、肌への負担を抑えることができます。

 シミ対策にはビタミンC。継続的に体内に摂取するとシミが薄くなるという実験結果も出ています。いちごなどはとくに優秀です。

 美白化粧品は慎重に選ぶべきです。たとえば、脂溶性成分が入ったものは皮膚が受けつけず、それどころか皮膚の中で蓄積されて代謝しないで、皮膚の中に長くとどまり炎症やシミの原因になることもあります。

【用語解説】
●SPF
紫外線防御指数。UVBを浴びて、肌が赤くなるまでの時間を何倍に延ばせるかを表したもの。たとえば、10分で赤くなる人がSPF20を使うと10分×20倍=200分。約3時間は防止できることになる。

●PA
UVA防御指数。UVA波の防止効果を示したもの。「明確な基準がないので、数値ではなく“+”の4段階表示なんです」(前田さん)。

●子供用日焼け止め
「皮膚が薄い子供の日焼け止めには、肌へのダメージが大きい紫外線吸収剤が入っていないものがほとんど。代わりに、酸化亜鉛(湿疹、肌荒れなどの薬の成分)や酸化チタンなどの粉末を含有する紫外線散乱剤(物理的仕組みで防御)が使われています」(前田さん)

※女性セブン2014年5月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン