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地方から直接お金を持参させる「上京型」等最新詐欺事例紹介

 オレオレ詐欺や架空請求などの特殊詐欺の被害額が、2013年は約490億円を記録した。詐欺集団は、あの手この手であなたの資産を狙っている。現金授受の手口も変わった。かつては口座振り込みが多かったが、金融機関が違法口座を積極的に凍結するようになったため、金融機関を介さず、レターパックや宅配便で現金を送らせたり、集金係が自宅に回収に訪れたりというケースが増えた。

 なかには、親が地方から東京に直接お金を持参する「上京型詐欺」まである。甲信地方在住の68歳女性のケース。東京の金融機関で働く息子から久方ぶりに電話がかかってきた。

「株を買うため上司に80万円を借りたんだ。でも、それは会社のお金だったんだよ。今日の監査の時間までに帳尻を合わせないと処分が下されちゃうんだ」

 たまの会話がこれか……ため息をつきつつも、そこはかわいい息子の頼みだ。さっそく現金を用意。新宿駅まで2時間電車に揺られながら、息子の喜ぶ顔を思い浮かべた。

 駅で待っていたのは、息子の後輩を名乗る男性である。言われるままにお金を渡し、もう安心とばかりに息子に電話をかけるも、

「は!? 何いってるの?」

 気づいた時には遅かった。

 警察関係者は、「不安を抱え長時間移動し、さらに土地勘がない地では初対面の相手でも信用しやすい。不審に思っても相談できる人が近くにいない」と分析する。

※週刊ポスト2014年6月13日号

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