2013年4月7日付の朝日新聞は〈警察学校で資質判断 警察庁「不適」なら退職促す〉との見出しで、警察庁が新人の資質を警察学校でより厳格に見極めていく方針を決めたと報じている。記事は方針について〈警察官による不祥事を防ぐ対策の一環〉であるとした(警察庁は方針の存在は否定したが「指導を尽くしても改善がなく適性を備えていないと認められる者には、退職を勧奨し、公正な手続きに基づいて分限免職を行なうよう指導している」と回答)。
このやり方は「ブラック企業と同じ」と指摘するのは、『警察組織のすべて』(宝島社刊)、『ブラック企業経営者の本音』(扶桑社刊)の著書があるジャーナリスト・秋山謙一郎氏だ。
「ブラック企業と呼ばれる会社の典型的な特徴の一つが、新人が辞めることを見越して大量に採用し、過酷な業務に耐えられない者はドロップアウトさせていくことです。そうして酷い労働環境でも人手不足が発生しないようにしている。
警察学校の実情もそれと似てしまっていて、警察組織に入る人材を『育てる』よりも『ふるい落とす』ための場所となっている」
ブラック企業かを見極める際に「3年で離職率30%以上」が目安として用いられることが多いが、これに従えば、半年で25%が辞める警察学校は十分にブラックということになる。
●レポート/佐々木奎一(ジャーナリスト)と本誌取材班
※週刊ポスト2014年12月12日号