ただ、白根氏が唯一マイナス点に挙げたのが価格だ。「単品で食べるには物足りない大きさで490円は少し高い印象を受けた」と話す。
もともとケンタッキーは国産チキンに代表されるように、素材や調理法にこだわり、「プレミアム感」を売りにしてきた。しかし、いくら高額商品に対するニーズが高まっている時代とはいえ、依然、コストパフォーマンスの高い身近な食べ物に飛びつく消費者も多い。
「今やケンタッキーのライバルはハンバーガーチェーンのみならず、コンビニでも品質を高めたチキンやコーヒーが低価格で味わえる。業態の垣根を越えたメニューの相互乗り入れが一層激しくなっています。
特別な日にケンタッキーのチキンを御馳走として食べるシチュエーションも次第に薄れている中、固定ファンだけでなく新たな消費者を呼び込むための選択肢をどこまで広げられるか。ハンバーグサンドの発売はその試金石になるでしょう」(白根氏)
近年、持ち帰り専門店(鶏から亭)や、コーヒー、デザートメニューを充実させたカフェ形態の新業態にもチャレンジしているケンタッキー。チキンだけに頼らない「ブランドの再構築」が生き残りのカギを握っているということか。