ストレッチは気持ちが良いものの、正しいやり方はなかなか知らないのでは? 自己流のストレッチではこりがとれないばかりか、炎症の原因にも。順天堂大学大学院の医師・医学博士で日本オリンピック委員会、世界陸上チームドクターでもある櫻庭景植さんに、ストレッチの基本と正しい方法を教えてもらった。
そもそも、「こり」とは一体なんなのだろうか。
「姿勢が悪かったり、ずっと同じ体勢のままで長い時間いたりすると、筋肉が緊張状態のまま収縮して、硬くなってしまいます。硬くなった筋肉、これがこりの正体です。筋肉が硬くなると、血液の循環が悪くなり、疲労物質が溜まってこりや痛みが発生。ストレッチで筋肉を伸ばして血流を良くすれば、疲労物質が排出され、こりは改善されます」(櫻庭さん、以下「」内同)
筋肉が硬いと、血管を圧迫して血液の循環が悪くなる。筋肉内に疲労物質が溜まり、こりや痛みが。筋肉を伸ばすとポンプのような作用が起こり、血流が良くなる。そのため、疲労物質が排出されるのである。ところで、年をとるとこりは強くなるものなのか。
「加齢により筋肉のまわりの組織が柔軟性を失い、筋肉が硬くなります。運動不足で筋肉を使わない状態が長く続くことも筋肉が硬くなる原因のひとつです。特にこりやすいのは肩と腰。肩まわりの僧帽筋や肩甲骨は循環障害が起きやすく、体を支えている腰も、筋肉が硬くなりやすい。特にヒールをはく女性は、歩くとき動かし続けるふくらはぎも実はこりやすいんです」
それでは、ストレッチはいつやるのが効果的なのだろうか。
「目覚めてすぐは体が硬い状態なので、少し動いてから行ったほうが効果的。入浴後、体が温まっている就寝前に行うと筋肉が伸びやすく、リラックスできて安眠効果もありますよ。ストレッチの効果は長続きしないため、毎日の習慣にして続けることが大切。ひとつの部位は15~20秒で充分。痛いと感じる手前でやめること。やりすぎると炎症や痛みを起こすことも」
※女性セブン2015年4月2日号