夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(50歳)が公務員の奥様(46歳)。ご主人が待ちわびているのは髪の毛なのだとか。
* * *
40代半ばから髪の毛が薄くなってきた主人。いろんな育毛剤を試しては「効果が現われるのは半年後だって。待ち遠しいな」。でも、結果はほとんどゼロ。一度、日曜日の朝でしたけど、洗面所から「オイッ、ちょっと来てくれ!」と主人の声。額の上を指差し、「ホラッ、1本、生えてきてるよ!」。確かに1本の毛が。
「効果があったんだよ!」
「う~ん、新たに生えてきたんじゃなくて……」
「何だよ?」
「周りの毛が抜けて、この1本だけ残ったんじゃない?」
私の疑問に「気分悪い、寝る!」。ふて寝の主人です。
そんな主人が「今度こそ効果があるぞ!」と、病院で男性型脱毛症の治療薬を貰ってきました。「大学時代の同級生も、この薬でフサフサになったというんだ。♪フッサ、フッサ、福生(ふっさ)は米軍基地の街」。浮かれながら処方箋を読みだしたのですが、
「まいったなぁ……」
「何が?」
「この薬を飲むと副作用で『性欲が減退する場合がある』って」
ハァ? ウチはここ数年、すっかりご無沙汰じゃない。なんでそれで困るのよ? ちゃんと説明しなさいよ!
※週刊ポスト2015年4月10日号