「開花宣言」の基準となる桜の木がある靖国神社は都内の桜の名所のひとつだ。上海の旅行代理店スタッフによれば、「当局から靖国神社をツアーに入れないように指示されている」というが、それでも花見シーズンには大勢の中国人が訪れた。
境内には「参拝者に迷惑をかける行為」などの禁止事項が日本語以外に英語、中国語、韓国語で表記されているが、やはり「中国人客は迷惑だ」と憤る声があがった。
「境内にあるテーブルは基本的に各屋台が管理していて、何品かは店で買ってもらって座るというのが暗黙のルール。でもそれを無視して、飲食物を持ち込んで座って飲み食いする中国人がいる。
座る場所がないと買ってくれるお客さんがいなくなるから商売あがったりです。『お店で買ってください』とお願いしても、『オーケー、オーケー』と無視されてしまった」(お好み焼き屋台の店主)
経済効果の面では中国人客が日本にとって貴重な存在であることも事実だ。上野公園からほど近いアメ横の免税店は、花見シーズン中に団体客で賑わった。
「この時期はいつもお客さんが多いが、今年は例年以上に中国人客が多かった。ブランドもののバッグをまとめ買いしてくれるので、店としては大変ありがたい」(免税店従業員)
※週刊ポスト2015年4月17日号