統一地方選後半の投開票も間近だが、昨年話題となった「号泣議員」こと野々村竜太郎氏で問題となった「政務活動費の透明化」を含めた「政治とカネ」を一つの争点とする候補者もいる。税金で支払われているにもかかわらず、つい給料の一部かのように考えてしまい仕事とは関係のないものに使ってしまうこともある政治家の経費処理。透明化するには、「すべてクレジットカード決済にすればいい」と語るのは、NPO法人社会保障経済研究所代表の石川和男氏だ。石川氏がクレジットカード決済の合理性について語る。
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統一地方選では、野党が献金の使い道なども含め与党の「政治とカネ」の問題を追及しています。もらうことについても取り沙汰されますが、支出の方についても追及されますよね。それこそ、領収書を1円単位まで取っておくことが求められます。
私自身も会社を持っているので、領収書は全部取るようにしていますが、政治家の行動パターンを考えるとこれって現実的ではないんですよ。政治家が全部の支出について領収書を回収するのは不可能に近い。秘書だって何人もいますし、その人たちがバラバラに領収書を取っているし、なくしてしまうこともあるかもしれない。地元に事務所があり、議員会館にも秘書がいて、全員の使ったものを集約するにも手間がかかります。
領収書の管理って、頑張ればできないことはないですが、ものすごい手間暇がかかり、抜けが出てしまうんですよ。そこを追及するために、大切な予算委員会がストップしたりもします。この問題をどう解決するかといえば、経費の決済はすべてカードを使えばいいんです。1枚ではなく、議員会館向け、地元向けなどに分けてカードを作っておく。
各カードの支出を秘書ごとに明細を取っておけば、領収書はもういりません。IT社会になっているし、まったくそれを活用せず、「領収書がないから証明できません」とか未だにやっているのはバカバカしいことです。私は10年前から思っていましたが、誰もこれについて言わないんですよね……。
カード会社にとって色々と手間があるのでは? いえいえ、カード会社としてはいくらでも協力しますよ! そりゃ、手数料収入が増えるわけですから顧客が増えるのは大歓迎です。もちろん海外でJCBが通じない、VISAでなくてはだめ、牛丼屋やファストフード店で使えるか? という不便さはあるものの、ここは使える場所が増えるよう、カード会社に頑張ってもらわなくてはいけないところです。頑張ればなんとかなります。ここはひとつ、合理的に考えてみましょうよ。