動物園は地方自治体などが運営しているケースも多い。購入原資である税金は、動物を現物確認してからでなくては支払われないのが基本なので、「後払い」になる。ただし、動物商は動物が送られてくる前に半額、または全額を海外に先払いしていることが多いという。
数か国語を操り海外の動物を日本に輸入する動物商であり、見て触れる爬虫類・両生類の動物賞「iZoo(イズー)」の園長も務める白輪剛史氏に事情を聞いた。
「高額の動物になると動物商の立て替え分も高くなってしまうので、先払いできる民間の動物園への輸入と比べてスピーディに進まない側面があります」
財政難となっている多くの自治体では新たな目玉となる動物を購入するための予算を捻出するのも難しい。
「そのため、『シカとサルが欲しいのですが、うちにサイの赤ちゃんが生まれたので交換しませんか』というように、物々交換交渉が行われることもあります」(同前)
※週刊ポスト2015年6月5日号