たしなみとしてのマナーが身についているかどうかは、訪問先での何気ないしぐさに表れる。たとえば、コートはいつ脱いで、いつ着るべきなのだろうか。人財育成コンサルタントでマナー講師を務める美月あきこさんが解説する。
「防寒着は、玄関の外で脱ぎます。今は家に入る前の行動も、モニターに映し出されてしまうので、身だしなみのチェックを完了してからインターホンを押すこと。また、コートの裏地を表にして、中表で畳むのは、服の外に付いたホコリや汚れを家に入れないという配慮なので、忘れずに行ってください」(以下、「」内美月さん)
靴をぬぐ時もマナーがある。靴は玄関を背にした状態で脱ぎ、スリッパをはいたら、膝をついて脱いだ靴のつま先が玄関に向くように揃え、隅に置く。着脱に手間取るブーツは訪問時には不向きだ。
「素足で人の家に上がるのはマナー違反。ストッキング着用の場合でも、上級者になると、フットカバーを重ねばきしてからスリッパをはきます。訪問先に対する配慮が見えて、好感度もアップします」
そして、手土産は正式なあいさつのあと。紙袋から出して渡すのが基本だが、それは紙袋が風呂敷に相当するという考えから。
「格式を重んじる目上の人には、“お口汚しですが、お納めください”などの言葉を選びましょう。最近では、“〇〇がお好きだと伺ったので”“今、人気の品なので”と伝えるのも◎。ただ、相手の家の近所で買うのはNG。相手のことを思って購入した、という思いが伝わるように、自分のエリアで購入しよう」
※女性セブン2015年10月22・29日号