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約20種を毎日服用していた男性 減らしたら体調大幅改善

薬をやめて症状が大幅改善する例も

 健康になるために薬は飲むものではあるが、中にはかえって症状を悪化させたり、もっと重篤な病気を誘発しかねないものもある。心筋梗塞や脳梗塞の再発防止薬として使用されている抗血小板薬のプラビックスには、脳出血や吐血などを引き起こす可能性が指摘されているという。命を延ばすための薬によって、命を削っているケースも少なくないのだ。

 首都圏に住む杉田恭人氏(仮名・71)は昨年、自宅にいた際、突然、呼吸困難から意識不明に陥り、救急車で病院に運ばれた。

「降圧剤やら高コレステロール薬、睡眠導入剤まで、毎日20種類近くを服用していたのですが、医師から“多すぎる。平均寿命まで生きるために数を減らしなさい!”と注意されました。これまで薬を多く飲んでいたから安心していた面があったので、衝撃を受けました。ならばと必要最小限の薬を飲むのに留めて、残りは全部やめたら、その日から快眠。体調が途端に良くなりました」(杉田氏)

 医師に相談せずに、患者の判断で勝手に断薬、減薬するのは危険だが、医師の言いなりになればよいという話でもない。新潟大学名誉教授の岡田正彦氏の指摘だ。

「医師が患者に薬の服用を“やめたほうがいい”というのは現実的には難しい。やめた途端、症状が悪化すれば、医師の責任となるからです。医師に納得いくまで質問し、本当に必要な薬を自分で見極めることが大事です。不要な薬をやめる決断は患者側がするしかない」

 それは死を覚悟するような、勇気を伴う決断になるかもしれない。薬の呪縛から解放された生活と、苦しみながらわずかな期間延命すること──どちらが自分が望む最期かは、しっかりと考えたい。

※週刊ポスト2016年7月22・29日号

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