この趣味は、一緒に『宗谷』撮影に行った谷口さんの影響だったとか。2人は以前、本社のイベントやグッズを手がける部署で上司・部下の関係でもあった。今は部署が離れたものの“鉄道仲間”である。
ディーゼル車をこよなく愛し、鉄道乗り歩きのために海外まで何度も足を運んだこともあるという谷口さんが、ラッセル車撮影の魅力を語る。
「同じ場所で、同じ感じで撮っても、前の日の雪の降り方、雪質、撮影時に晴れているか雪が降っているかなど、条件ひとつで撮れる写真が全然違ってくるんです。
ラッセル車には定期(運転)と不定期(運転)があるんですが、『宗谷』は定期だという情報を知り、写真を見て『自分も撮ってみたいな』と思って撮り始めました。1~2回撮りに行って、これは面白いぞと思って、(石井さんに)一緒に行きませんかと声を掛けたんです」(谷口さん)
現地では写真を撮りつつ地元の美味に舌鼓を打ち、温泉に入る。社員同士のコミュニケーションはばっちり図れているようだ。実は、石井さん、谷口さんにもう1人の駅長を加えた3人組が相鉄社内でも有名な“鉄道マニア”だという。
「ラッセル車が雪を蹴散らす“その一瞬”を撮りたい」と語る石井さんが『宗谷』を撮影した時の気温は、前述の通りマイナス17度。撮影場所では1時間くらい待っていたという。寒くないのか、と聞くと「アドレナリンが全開で、待っている時は寒さを感じない」とのこと。
時には、鉄橋を走る鉄道を、山を登って上から撮影することもある。もちろん体力が必要になる。石井さんは「撮り鉄はスポーツですから」と笑って語った。