「私は10週間先を見て警告を発している。トランプの支持基盤6000万票には桁外れな熱気が感じられる。ジョー(バイデン)の支持者たちにはそれがない」
アメリカ・大統領選を11月に控え、フェイスブックでそう警鐘を鳴らしたのは、『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』などで知られる映画監督のマイケル・ムーア氏(66)だ。在米ジャーナリストの高濱賛氏が語る。
「リベラル派論者のムーア氏は、2016年の大統領選でもトランプ氏の当選を予測し、警告を発していた。選挙前の世論調査では民主党のヒラリー・クリントン候補が有利とされたが、民主党優勢が報じられていた中西部のミシガン州やミネソタ州などでは“隠れトランプ支持者”が急増していた。その事実をムーア氏は取材し、映画『マイケル・ムーア・イン・トランプランド』に収めました」
そのムーア氏がトランプ再選の可能性を指摘する根拠は、今回の大統領選が2016年と酷似していることにあるという。
「ムーア氏は8月に入って3回ミシガン州に入り、有権者に突撃取材しました。そこでバイデン支持者に理由を尋ねると、『バイデンはトランプじゃないから』と消極的な理由が多かったそうなのです。事実、世論調査ではバイデン氏を『熱烈に支持する』と答えた人が40%台にとどまるのに対し、トランプ氏の場合は66%。事前の世論調査で民主党優勢が伝えられていることも4年前と酷似しているため、ムーア氏はバイデン支持者への注意を呼びかけているのです」(高濱氏)
ムーア氏は「(民主党支持者の)各人が数百人のバイデン支持者を捕まえろ。今、行動を起こせ!」とも呼びかけた。激烈な“アジテーション”は杞憂に終わるか、それとも……。
※週刊ポスト2020年9月18・25日号