国内

《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」

いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)

いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)

「おれ自身もまだ詳しいことはわからない。いまは何もやる気が起きないし、何もお話しすることはない……」

 無精ヒゲを生やした父親は、しぼり出すようにそう呟くと、憔悴した表情に深い悲しみをにじませた。18年間手塩にかけて育ててきた愛娘をあまりに理不尽な形で失ったことに呆然としているようでもあった──。

 10月27日早朝、東京・新橋のガールズバーで、従業員の谷沢優奈さん(18才)が、客として来店していた千明博行容疑者(49才)に刺殺された。谷沢さんの体には十数か所の刺し傷があったという。

「逮捕された千明容疑者は『(被害者とは)今年の6月頃マッチングアプリで知り合った』と供述し、犯行を認めています。26日の23時頃に来店した千明容疑者は、朝方5時過ぎまで約6時間にわたって飲み続け、その間、谷沢さんがほとんどひとりで接客していたそう。その後、自宅から持参した刃渡り10cmほどの果物ナイフを取り出すと、谷沢さんにいきなり襲いかかり、メッタ刺しにして命を奪ったのです」(全国紙社会部記者)

 群馬県在住の千明容疑者。これまでも谷沢さん目当てにたびたび来店していたことが確認されているが、2人の間には金銭を巡るトラブルがあったという。

「10月初旬、谷沢さんは警視庁に『マッチングアプリで知り合った男性に財布から1万円を盗まれた』と相談しており、その相手が千明容疑者とみられています。今回の犯行の背景には、こうした金銭トラブルも関係しているとみて、捜査が進められています」(捜査関係者)

 千明容疑者が生まれ育ったのは、伊香保温泉で有名な群馬県渋川市。両親と同居する実家は、昔ながらの豪農の旧家や蔵が建ち並ぶ一角に位置し、歴史を感じさせる門構えだ。近隣住民が語る。

「ひろちゃん(千明容疑者)のお父さんは代々続く農家の家系。農業のほかに、造園業もやっていたと思います。ひろちゃんにはお姉ちゃんがいたけど、ずいぶん前にお嫁に行きました。専業主婦のお母さんは、日本舞踊も教えていて、近所を引っ張っていくタイプの人でしたね。ただ、ひろちゃんを最後に見たのはいつだったかしら……という感じで、定職に就いていなかったんじゃないかな」

 20代の頃は東京の専門学校に通い司法試験に挑んだとも報じられる千明容疑者について、同級生が明かす。

「小学校のときは身なりに気を使っていて、こぎれいにしている印象でした。ただ、中学で所属していた卓球部の先輩とうまくいかなかったようで、不登校になってしまった。成人式にも姿を見せませんでしたね。性格は自分勝手というか、我を通す印象です。キレるとかではないんだけど、昔からちょっと危うい感じはありました」

 一方の谷沢さんは、定時制高校に在籍しながら、ガールズバーでのアルバイトに精を出していたという。

「会えば挨拶してくれる素直な子で、いまどきのお嬢さんという印象です。時々きれいなドレス姿を見かけることもありました」(谷沢さんの自宅の近隣住民)

 冒頭の谷沢さんの父親は、取材の最後に天を仰ぎながらこうしぼり出した。

「娘の写真をおれは一枚も持ってないんだ。いま思い出せる娘の顔は最期の死に顔だけ。それしか思い出せないよ……」

 殺害の動機が「1万円トラブル」なのだとしたら、あまりにやるせない。

女性セブン20241114日号

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン