米ボストン在住の内科医・大西睦子さんが説明する。
「1950年代からアメリカでは肥育ホルモン剤としてエストロゲンなどの女性ホルモンを投与して牛を育てています。子牛の成長を早め、飼育コストを節減できるメリットがあるものの、ホルモン剤が残留した肉を食べた子供の性成熟を加速させたり、がんを誘発する懸念が拭えない。
1970年代後半にはプエルトリコで幼い女の子の乳房がふくらんだり月経が起きるなどの異常な性的発育が続出し、原因とされたホルモン剤はアメリカでも禁止になりましたが、別のホルモン剤はいまだに使用されています。一方、こうした経緯からEUは1989年から肥育ホルモン剤使用牛肉が輸入禁止になりました。
ところが、日本では国内飼育される牛は肥育ホルモン剤の使用を禁止しているのに、輸入される肉に関しては何も制限がないのです」
EUが肥育ホルモン剤使用牛肉を輸入禁止にして、7年後には多くの国で乳がん死亡率が減った国もあったとの報告もある。そんな危険な牛肉が、日本にはどんどん入っているのだ。
「当のアメリカ人すらもその害が気がかりで、『ホルモンフリー』と表示された肉を選んで食べるようになっている。何も知らずに口にしているのは日本人だけかもしれません」(大西さん)
※女性セブン2021年1月21日号
追記/納豆の記述について、誤解を招きかねない表現がありましたので、一部修正いたしました。(1月13日17:20)