小野寺氏が続ける。
「これからは、いまのアメリカの映画・ドラマがそうであるように、役にどれだけフィットできるかが重視されると思います。そうなると、演じられる範囲が広く、日本女性としてのリアリティがあり、観客や視聴者が自分を重ねやすい岸井ゆきののような俳優への需要がより高まってくる。彼女には、これまで以上に様々な役柄を自由に演じてもらい、日本の新しい時代を象徴する存在になってもらいたいです」
新しい女性像を求める映画やテレビドラマが“役にフィットする役者”を起用し、そして時代を象徴する存在となった役者が新しい女性像を社会に浸透させる役割の一端を担うようになる。そうした存在の一人が岸井ゆきのであるのだとしたら、主役・脇役にかかわらず、今後も活躍の幅を広げていくのは間違いなさそうだ。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)