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DeNA交流戦快進撃を支える「8番・大和」と田代富雄コーチの存在

6月6日の試合ではサヨナラのタイムリー二塁打を放った大和(時事通信フォト)

6月6日の試合ではサヨナラのタイムリー二塁打を放った大和(時事通信フォト)

 セ・リーグ最下位のDeNAが交流戦で快進撃を続けている。4カードを終えた時点で負け越しは1度もなく、7勝3敗2分で中日と同率の首位(6月6日現在。記録は以下同)。失点67は12球団ワーストだが、得点66はオリックスに次いで2位と攻撃力が爆発している。リーグ戦ではセ4位の得点数だったチームに何が起こっているのか。プロ野球担当記者が話す。

「交流戦を機に、田代富雄巡回打撃コーチがベンチ入りした効果が出ているのではないでしょうか。過去に横浜で多村仁志、内川聖一、村田修一、筒香嘉智、楽天で銀次、岡島豪郎、巨人で岡本和真などを育てた名伯楽は、選手にとって頼もしい存在でしょう」(以下同)

 6月3日のソフトバンク戦で勝ち越しタイムリーを放った大和はお立ち台で、「田代さんのおかげです。普段からものすごくアドバイスしてもらうけど、今日は打席に行く前は何も言ってくれなかった。うれしかったですし、田代さんが一番喜んでくれたので良かった」と名前を挙げて感謝を述べた。

「ヒーローインタビューで、選手がコーチの名前を挙げることは珍しい。大和は一昨年にサヨナラヒットを打った際も、お立ち台で『田代コーチに“お腹が空いたから決めてくれよ”と言われた』と明かしています。田代コーチは厳しく指導するだけでなく、場面に応じて各選手の特徴を見極め、言葉を投げかける。真面目であるがゆえに力が入りすぎることも多い大和には、冗談を言ってほぐした。経験豊富で、コーチとしても実績があるので、いろんな引き出しを持っています」

 大和は田代コーチがベンチ入りし始めた交流戦で、全12試合に出場し、打率3割5分7厘をマーク。8番や9番を打ちながら、打点12は12球団3位(セ・リーグ1位)を記録。OPS(出塁率+長打率)は10割を超えている。リーグ戦では2割、6打点しか残せていなかった男の復活が、チームの躍進に繋がっている。

「ラミレス前監督は中軸が作ったチャンスを返すポイントゲッターとして、大和を下位打線に置く作戦を取っていた。交流戦前は2番を打つことが多かったが、昨年までのように下位打線に戻ったことも、大和を復活させる要因になっているのではないでしょうか」

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