降圧剤をやめるにも生活習慣の改善は欠かせない。ここでも「正確な数値の把握」が鍵となる。
「1日の塩分摂取は6グラム以下が目安とされていますが、自分では抑えているつもりが、思わぬところで塩分を過剰摂取している人は多い。管理栄養士との話し合いで塩分などの摂取量を患者さんに数値で理解してもらえば、自然と“降圧剤に頼らない状態”に近づけます。
患者さんの個々の食生活によって指導内容は異なりますが、日本高血圧学会の『高血圧治療ガイドライン2019』に出ているDASH食(※注)も有用です。ただ、食事には好みがあるため、自分の嗜好もある程度は守りながら、どのような食生活が適切か、管理栄養士と話し合うことが大切です」
(※注 「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略。野菜や海藻、木の実、果物、大豆製品、低脂肪の乳製品、青魚を中心に摂り、加工肉や脂肪の多い肉、魚卵、レバー、砂糖を避ける食事を指す)
血圧の数値が改善された後も重要だ。
「高血圧診療の目的は高血圧に伴う動脈硬化による脳・心筋梗塞や慢性腎臓病などの合併症を予防することです。その見極めは医師でなければ気づけないものが多いため、指示された検査を受けてください」
※週刊ポスト2021年7月16・23日号