「今はこういう状況でミニシアターに来るお客さんが少なくなってしまって。本当に客席に1人しかいない日もあるんですよ。けれどミニシアターのみなさんはその1人のためにちゃんと映画を上映してくださるんです。
そうした中で入江監督がミニシアターを支援するために動き出して、その行動に私も救われた部分がありました。この映画に携わることは何にも変えられない時間ですし、私自身、目の前のことを乗り切るための一つのきっかけになったんです。もちろん、映画が公開されることで今後もみなさんがミニシアターで楽しめる日が来るきっかけになればとも思っています。
『シュシュシュの娘』を通してたくさんの人が繋がって、もともとあった繋がりも再確認させてもらえて、それはすごく大切な時間でした。そうやって完成した作品を観てくださったお客さんにも色々なことを感じ取ってもらえるかもしれない、と考えると、一つ一つの小さな積み重ねが大事だなとあらためて思います」(福田沙紀)
映画の見どころについて福田沙紀が続ける。
「主人公の未宇は映画の中でどんどん変わっていくんですね。見た目の大きな変化もあるんですが、もっと普遍的な人生における変化というか。未宇は未宇らしいまま新しい自分を受け入れていく。そういうキャラクターとしての魅力がとてもある役柄なので、そこを楽しんで欲しいですし、映画を観た時に『やっぱりミニシアターもいいな』と思ってもらえる、ちょっぴり温かい時間を過ごしていただけたら嬉しいです。
それと、映画好きの方が『あれ、これってあの映画の……!?』と思わず見入ってしまうようなオマージュ的な要素もたくさん散りばめられているので、映画に詳しい方はまた別の角度から楽しんでいただけるのではないかと思います」(福田沙紀)