前出の一石医師は、脂質異常症薬のスタチン系薬への注意を促す。
「スタチン系薬による脱毛の副作用は、男女を問わず高齢の患者で多く報告されています。原因は解明されていない点が多いのですが、スタチン系は血液中のLDLコレステロールを低下させる作用がある。
女性に関してですが、髪の成長を促す女性ホルモン『エストロゲン』はコレステロールを原料とするため、スタチン系薬でコレステロールが減ると同時に女性ホルモンが減り、抜け毛に繋がると考える医師もいます」
その他、解熱鎮痛薬、抗リウマチ薬にも脱毛の副作用が記載されている。
「抗リウマチ薬では、白血球の細胞分裂を抑える効果が髪の毛の細胞に影響して、髪が育たずに脱毛となる可能性が考えられています」(長澤氏)
薬を飲み始めて1~3か月後に症状が出たら、薬剤性が疑われるという。
※週刊ポスト2021年12月10日号