一方で、コレステロール値が高いと健康問題を引き起こすという意見もある。日本動脈硬化学会は「低ければ低いほどいい」という見解を示しており、LDLコレステロールが140mg/dL以上の場合は高コレステロール血症と診断される。横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長で糖尿病専門医の市原由美江さんも、この方針に賛同する。
「女性の場合、50才前後になると女性ホルモンが減少し、コレステロール値が極端に高くなる人が大勢います。正常値は140mg/dLですが、ほかに疾患がある人は120mg/dL以下に抑えた方がいいこともある。たとえ健康な人でも、160mg/dLを超えたら動物性の脂質の摂取を控え、運動量を増やすなどの生活改善を行うべきです」(市原さん)
場合によっては、薬で数値を下げる必要もある。しかし、血圧と同様に、薬でコレステロール値を下げるのは最終手段だと考えたい。大櫛さんが言う。
「日本でよく使われるタイプの薬『スタチン』は、糖尿病になるリスクを最大で3.1倍も高めます。がんや出血性の脳卒中などのリスク、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症率を10〜100倍上げるという報告もある。のんでも効かないだけの薬ならともかく、体の害になる可能性がある薬はなるべく避けた方がいい」
自分はコレステロール値を上げるべきか、下げるべきか、気になる人は医師に相談してもいいだろう。
※女性セブン2022年1月6・13日号