ライフ

森友学園スクープ記者が語る「赤木さん夫婦の物語」漫画化の舞台裏

赤木雅子さんが国に損害賠償を求めた訴訟の終結に対しては今も市民らの抗議活動が続いている

赤木雅子さんが国に損害賠償を求めた訴訟の終結に対しては、市民らの抗議活動が現在も続いている

 森友学園問題をめぐって、なんとか幕引きを図りたい国の不誠実な対応に、批判の声があがり続けている。昨年12月には、森友学園問題についての財務省の決裁文書改ざんを苦に自ら命を絶った近畿財務局の赤木俊夫さんの妻・雅子さんが国を相手取って起こしていた損害賠償訴訟で、国側が賠償責任を認め、約1億円の賠償金を支払うことを「認諾」したことが話題となった。カネを払うから裁判での真相究明はさせないという露骨な態度に対し、通常国会の代表質問でも、野党側から疑問視する問いかけがなされた。様々なかたちで、この問題を風化させてはならないという取り組みが続いている。 

  その一つが、雅子さんが、改ざんなどの関連文書を「不開示」とした財務省決定の取り消しを求めた訴訟だ。1月18日、大阪地裁で第1回口頭弁論が開かれ、国側は請求棄却を求めた。雅子さんは弁護士を通じて「夫がどうやって亡くなったのか分かる資料が出てくることを願います」とのコメントを発表した。また、雅子さんも取材協力として参加する漫画『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』の連載もスタートした(『週刊ビッグコミックスピリッツ』)。森友学園事件をモチーフにしたノンフィクションのようなフィクションで、作中では、総理夫人らの名を公文書から隠蔽するために改ざんを命じられた近畿財務局職員・赤木トシオさんが自ら命を絶つそして、その妻、マサコさんが「夫の死の真実を知る」ために国と闘うことを決意しつつも、迷いや怒り、葛藤を抱える様子を描く物語だ。 

  原作は『ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜』の宮崎克氏、作画は『家栽の人』『はっぴーえんど』の魚戸おさむ氏が担当している。そして、取材協力として前述の通りいまも国と闘い続けている赤木雅子さんが参加。さらに、森友事件をスクープした元NHK記者でジャーナリストの相澤冬樹氏が参加している点も注目だ。  

  いかにして、この作品が誕生することとなったのか──。きっかけは相澤氏の働きかけだった。相澤氏が連載開始までの裏側を明かす。 

 「最初は森友学園の問題を風化させたくないという想いから、『どうやったら政治や社会問題に興味のない人にも知ってもらえるか』と考えたところ、漫画が良いのではないかと思ったのがきっかけです。そこで2020年の秋頃から知り合いのツテを頼りに編集者を紹介してもらい、漫画化を実現するために動き始めました」 

  しかし、当初は思うように連載が決まらなかったという。 

関連記事

トピックス

亡くなったシャニさん
《7か月を経て…》ハマスに半裸で連行された22歳女性が無言の帰宅、公表された最期の姿「遺体の状態は良好」「肌もタトゥーもきれいに見える」
NEWSポストセブン
別居を認めたMEGUMI
《離婚後の大活躍》MEGUMI、「ちゃんとした女優になる」を実現!「禁断愛に溺れる不倫妻」から「恐妻」まで多彩な“妻”を演じるカメレオンぶり
NEWSポストセブン
日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン