大学入試センターによると、大学入学共通テストの試験室にはスマートフォンなどの電子機器の持ち込みは可能だが、試験中の利用は完全に禁止されている。試験中に電子機器を手に持ったり、身につけたりしている場合は不正行為と認定されてしまう可能性がある。
各科目の試験前には、スマートフォンなどはアラームと電源を切ってかばんにしまう決まりだ。かばん内で着信音やマナーモードの振動音などが鳴った場合は、監督者が本人の了解を得ずに試験室外にかばんごと持ち出し、試験場本部で試験時間終了まで保管することになっている。とはいっても、受験生ひとりひとりのボディチェックをするようなことはしていない。そこまで悪意がある前提で、大学受験は行われていない。
京大入試で「Yahoo!知恵袋」悪用も
大学入試にネットを悪用した例は、過去にも何度か起きている。2011年2月には、京都大の2次試験の数学と英語の問題の一部が、試験実施の最中にYahoo!知恵袋に投稿され、第三者が回答していることが発覚した。この事件では、同年3月に、偽計業務妨害容疑で男子予備校生が逮捕されている。
今回の共通テストでは2日間で計3人が失格になっているが、うち1人は国語の試験中にスマートフォンを太ももに挟んで隠しているのが確認されての失格だった。スマホに関連した不正行為の認定は、前身の大学入試センター試験から数えると計6件となる。
このような不正は、入試に限ったことではない。
オンライン試験でAIによるカンニング検知も
コロナ禍で授業や講義だけでなく、定期試験や資格試験などもオンラインになっているところがある。なりすまし・替え玉受験防止として顔認証技術を使ったり、カンニング防止にWebカメラでの監視やAIによって不審な動きを検知しているところもあるほどだ。
「Zoomで試験を受けたが、カメラはオンで30人くらいずつルームに分けられ、教員の監視がついた。ビデオ録画もされて、後日再チェックされると聞いた。以前は友達同士教え合っていたと聞いたこともあるが、これではさすがにカンニングは出来ないのでは」とある学生はいう。