ライフ

「いまも好奇心が尽きません」101歳の現役ピアニスト女性が語る、楽しく幸せに生きる秘訣

101歳の現役ピアニスト・室井摩耶子さんがピアノの前に座る

101歳の現役ピアニスト・室井摩耶子さんがピアノの前に座る

 人生100年時代を幸せと捉えるか、不幸と捉えるかは、心と体のあり方次第。そんな中、100歳を過ぎてなお、ひとりで元気に、現役バリバリで活躍中の女性がいる。ピアノ歴95年の現役ピアニスト・室井摩耶子さん(101歳)だ。新刊『マヤコ一〇一歳 元気な心とからだを保つコツ』を上梓したばかりの室井さんに、年を重ねても楽しく幸せに生きるための秘訣を聞いた。

 * * *
 この年でも現役のピアニストであることが珍しいらしく、「なぜ100歳を過ぎても元気なのか」と、よく尋ねられるようになりました。長く生きてきたから偉い、なんてことはありません。勝手に年を重ねただけのことです。年齢のことを気にしたこともありませんでしたし、気がついたら100歳を過ぎていました。

 もちろん、100歳を感じることは日々の中で多々あります。よいしょと椅子から立つでしょ? 立つのだってひと仕事です。やっとのことでは立ち上がるのだけど、何のために立ち上がったか思い出せないことがあります。

「マヤコ、しっかり!」と声に出してみるけれど、思い出せないのは仕方がありません。こんなときは100歳って便利ね。「100歳なんだからしょうがないわよ」と言葉にしています。「老い」って、くよくよしないための「言い訳」を作ってくれているのかもしれません。

 強いて言うなら、「人の目」を気にしないのがいいのかしら。こうしなさい、ああしなさい、と周囲はいろいろ言うけれど、どうしようもできないことはあります。嫌なことは嫌ですし、嘘つきの人とは誰であっても付き合いたくありません。

 ピアノを選んだのも私。結婚せずにひとりでいるのも私。眠くなったら「からだがノーって言ってるわ」とさっさと寝る。相手にも頼りたくないし、求めない。食べたいものを食べ、やりたいことをやる。心と体の自然に任せた生活で、人の言うことは聞きません。

 嫌なことも素敵なことも、心の「頭陀袋」に放り込んでおしまい。そんなふうに自分らしく、個性豊かに生きたほうがいいなんて考えていたら、あるとき、こんな考えが浮かんできたのです。

「老いては『子』に従え」と言いますが、「老いては『個』に従え」ではないかと。

 年老いた後は、何事も子どもに任せるのがいいという格言めいた言葉がありますが、私は最期まで、「個」の意志を貫いて生きることが大切だと思うのです。私という「個」、私の「心と体」に自然体で従ってきたからこそ、年齢を重ねても、いつまでも幸せに生きられているのだと思います。

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト