家族で協力して克服しようと語りかける才賀の言葉にあびるは涙を流したという。だが、その後も酒癖が改まることはなかった。
「Aちゃんが下痢をしてノロウイルスの疑いがあるときに何の処置もせずに飲み会に連れて行ったり、高熱で寝込むAちゃんを放置して、男性の友人と飲みに行ったこともあったといいます」(前出・才賀の友人)
あびるが才賀に飲酒の悩みを打ち明けたのと同じ頃、彼女はインスタグラムに育児の悩みを綴っていた。
《娘はかわいいけど、やっぱり『なんで私だけ、、自由に眠れない、自由に外出できない、常に家事育児と奮闘しなくちゃいけないの、1人の時間がないの』》(2017年5月18日)
婚姻中に才賀の浮気が週刊誌で報じられたことも、あびるにとって大きなストレスになったことは想像に難くない。しかし、当時の夫婦を知る関係者は「誰よりも気の毒だったのはAちゃんです」と振り返る。
「あびるさんは家でも酒を飲み、幼いAちゃんにビーフジャーキーや、インスタントの激辛ラーメンをしょっちゅう食べさせていました。『辛い』と泣くAちゃんを見て、笑っていたこともあります。のちにAちゃんは、あびるさんが用意してくれるのは『白いご飯にふりかけ』と言って、『だから、Aちゃんは大きくなれないの』と話していましたが、あのときはさすがに不憫で……」
和田アキ子さんに気に入ってもらうため
ディズニー作品の『塔の上のラプンツェル』が好きなAちゃんは、主人公のように髪を伸ばすことに憧れていたが、あびるの意向で髪形は短く刈り上げられていた。
「事務所の大先輩である和田アキ子さんに気に入ってもらうために、Aちゃんをアッコさんと同じ髪形にすると言っていました。飲食店でハイボールを飲みながら、店のキッチンばさみを借りてAちゃんの髪を切り出したときは呆然としましたよ。
Aちゃんは黙っていましたが、あとになって『男の子みたいにされて嫌だったけど我慢した』と話していました。いまは腰まで伸びた長い髪をすごく気に入っているといいます」(前出・当時の夫婦を知る関係者)
友人らが証言する一連のあびるの行動は文春で語られた「優しいママ」のイメージとはかけ離れ、アルコールの影響で正常な判断ができていなかった可能性も否めない。それでも、裁判所は、彼女の酔った姿は見たことがありませんというあびるの友人らの証言を重視し、あびるにアルコール依存症はなく、飲酒によりAちゃんに悪影響を生じさせたとまでは認められないとした。
以前は「ママ大好き」と言って抱きついてきた娘が、離れて暮らすうちに「優ちゃん嫌い」と言うまでに変わってしまった現状は、母親にとっては受け入れ難いことだろう。アディーレ法律事務所の古沢隆之弁護士が言う。
「判決に従うことは大前提ですが、民事上は間接強制を含む強制執行以上の手立てがないのが実情です」