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トム・クルーズ、作品に対する強い情熱とこだわり 役作りのために1年間車椅子生活も

トム・クルーズが大阪の“道頓堀をクルーズする”と話題になった’14年のイベント。トムはファンに「マイド、オオキニ!」と挨拶した(写真/アフロ)

トム・クルーズが大阪の“道頓堀をクルーズする”と話題になった2014年のイベント。トムはファンに「マイド、オオキニ!」と挨拶した(写真/アフロ)

 主演映画『トップガン マーヴェリック』(以下、“マーヴェリック”)が大ヒット中のトム・クルーズ(60才)。映画館に何回も足を運ぶ熱狂的なリピーターも続出し、“追いトップガン”なる言葉も誕生した。これまでいくつもの名作に出演してきた世界的トップスター、トム・クルーズとは一体、どんな人物なのか? 運命の作品との出会い、そして世界的スターになるまでを振り返る。

海外スターの存在をグッと身近にした

 トムがブレークしたのは1983年。21才のときだ。在米映画ジャーナリストの中島由紀子さんはこう話す。

「出世作となったのは、『卒業白書』でしょう。性のことで頭がいっぱいの多感な高校3年生を演じ、ワイシャツにブリーフ姿で踊るシーンが大きな話題となりました。そして決定打となったのが、1986年に公開された『トップガン』です」

『トップガン』は全米で興行成績1位になる大ヒット。日本でも当時、興行収入が67億円を超え、日本の若者はこぞってトムがかけていたレイバンのティアドロップ型のサングラスをかけ、フライトジャケットを着るなど、社会現象にもなった。

 この頃、トムが当時の海外スターの概念を大きく変えたというのは、イケメン評論家の沖直実さんだ。

「それまでの日本では、ジェームズ・ディーンなどが人気でしたが、グッと身近な存在になったのがトム・クルーズだと思います。身長は170cmと日本人と変わらない体形で、親近感があり、顔立ちも郷ひろみさんらを彷彿させるような日本人好みのハンサムさ。日本人の若者がトム・クルーズのファッションを真似したくなったのも、大スターでありながら、その身近な感じがあったからかもしれません」(沖さん・以下同)

 とはいえ、トムは単なるハンサムな俳優と一線を画していたと、沖さんは回顧する。

「『ハスラー2』(1986年)ではビリヤードを徹底的に練習して役に挑み、この映画がヒットしたおかげで、日本ではビリヤードブームが起きました。

 また、『7月4日に生まれて』(1989年)で、戦争で負傷した兵士役を演じたときは、役作りのために1年間車椅子で生活をするなど、役にかける情熱がすごい。彼の場合、『何をやってもトム・クルーズ』ではなく、どの作品でも役に自分を寄せる。そんな演技派のところが、女性ファンだけでなく、男性からの支持も得たのではないでしょうか」

 トムの作品は次々とヒット。トップスターの地位を確実なものとしていく。

本物の映像にこだわり 納得する作品にしか出ない

 1996年には、のちにシリーズ化され、彼の最大の当たり役といえるスパイアクション映画『ミッション:インポッシブル』の製作が始まる。

「彼の場合、興行的にイマイチ振るわなくても、駄作はありません。彼には彼のこだわりがあるんです。

 駆け出しの頃、彼は『自分が出たいと思わない作品には、どんなにお金を積まれても出ない』『ただカッコイイと言われるだけの作品やファンの心をつかむだけの作品は選ばない』などと語っていたのですが、出演作を見ていると、その言葉をいまでも守っているのだと感じます」(中島さん)

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