9月27日に揃って岡田新監督の人事を一面で報じた産経新聞(関西版)とサンケイスポーツ

9月27日に揃って岡田新監督の人事を一面で報じた産経新聞(関西版)とサンケイスポーツ

 当初、次期監督には平田勝男・二軍監督(63)の昇格が有力視されていた。8月下旬には、やはり産経新聞のウェブコラムで〈球団首脳が「次は平田新監督」で意見が一致〉と報じられていた。阪神OBが言う。

「キャンプ前夜に矢野が今季限りの勇退を表明すると、球団幹部が安芸の二軍キャンプに足を運んでいる。その時点で次期監督は平田の内部昇格で一致していたのだろう。ヤクルト、オリックス、ソフトバンクが内部昇格した監督でうまくいっているし、平田は野村、星野、岡田のもとでコーチを務めてきた。阪神野球を継承するのに適任と判断されたのだろう。年齢も上で歯に衣着せぬコメントの岡田に比べて、球団サイドからすれば平田のほうがコントロールしやすいという側面もある。

 8月下旬の産経の報道が出た時は、阪神の藤原崇起オーナー(阪神電鉄会長)に平田案が上げられ、親会社である阪急阪神HDのトップである角和夫会長の意向なども含めてすり合わせが必要になっていた時期と考えられる。そうしたなかで“平田じゃ客が呼べない”と差し戻されたといわれている。差し戻されれば、候補は1人しか残っていない。自ずと岡田に決まった。勝てるかどうかよりも、客が呼べるかどうかという観点になるのは、ナニワの商人らしい発想でしょう」

 阪急阪神HDの角会長は早大卒で岡田氏の先輩にあたる。シーズン中も一緒にゴルフをしているのが目撃されており、信頼関係は厚い。

「岡田監督になれば教え子の今岡真訪、鳥谷敬、藤川球児らの入閣の可能性はあり、豪華なメンバーとなる。平田体制に比べれば、球団側がコントロールしやすい布陣とは言えないでしょうが」(前出・担当記者)

 人事を巡る報道協定の要請が実らないあたりも含めて、実に阪神タイガースらしい新体制の船出といったところだろうか。

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