(写真/PIXTA)

ブロッコリーやアボカドにも微量含まれる(写真/PIXTA)

 NMNの推奨摂取量は1日あたり100〜250mgとされ、食べ物から必要量を満たすのは極めて困難。

 現在一般的な摂取方法は、冒頭のようにMEGUMIが受けているという点滴や、神崎が習慣にしているというサプリメントによる摂取だ。

 点滴は経口摂取ではないぶん、消化管や腸に吸収されず少ない量で効果が得られるメリットがあるというが、自由診療で保険適用外のため価格はクリニックによって異なり、100mg注入で3万〜4万円など高額な場合がほとんど。一方、サプリメントはカプセル型が主として食品メーカーや医療メーカーなどから販売されている。ドラッグストアやクリニック、インターネットで購入できるが、1日1〜2粒の摂取で30日あたり2000〜10万円以上と価格には大きなばらつきがある。

「サプリメントのなかには、NMNの含有量が非常に少ないものもあります。1日に女性で250mg、男性で350mg摂れる量が入っているかどうかが、ひとつの目安になります」(平野さん・以下同)

 製造方法の違いも、価格を大きく左右するという。

「従来、NMNは非常に製造が難しく、酵母を使って作る方法しかなかったため、数年前は1か月分で10万〜20万円もしました。その後、酵母による製造手法が進歩したり、化学合成もできるようになったので、価格はかなり抑えられました。

 あまりに安価なものは精度の低い化学合成の場合もあり、不純物が多いなど注意が必要です。購入の際には製造方法も確認してみてください。

 さらに製品管理がきちんとなされているかどうかも、大切なポイントです。医薬品の製造管理および品質管理の基準(GMP基準)を満たしているものは割高ですが、安全性は高いといえます」

 NMNはビタミンに近い成分のため副作用は少ないというが、病気の治療に用いる場合には事前に医師と相談することが大切だ。

「海外ではNADを直接体に投与する方法も出始めていて、日本でも一部の施設では可能です。ただ、先にも述べたように少し副作用があるため、時間をかけてゆっくり入れなければならず、充分な注意が必要です。さらに最近では、NMNの分子量を小さくし、そのまま吸収できるNR(ニコチンアミドリボシド)という新しい物質が登場し、アメリカなどでは点滴やサプリメントとして使われ始めています。今後使用が広がるかもしれません」

※女性セブン2023年5月25日号

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