美馬寛子氏

最後のステージで勝敗をわけるのは『運』だと語る美馬氏

「ステージでドレスの裾を踏んで、階段を踏み外してしまったんです。実はその前年にもアメリカ代表がドレスの裾で転んでしまって、5位止まりに。2年連続だったので『アメリカは運がない』と囁かれていました。でも実際、最後のステージで勝敗をわけるのは『運』です。日本大会でも世界大会でも、ファイナリストに選ばれるまでは努力ですが、その先は運にも左右されます。

 例えば、予期せぬアクシデントで転んでしまうとか、会場から大きなくしゃみが聞こえてスピーチの内容がすべて飛んでしまうとか。私も世界大会のファイナルで、水着審査のステージに突然滝が流れ出して、足を滑らせてしまったんです! なぜ私の出番で水が出てきたのかはわかりません。でも、それで頭が真っ白になってしまって、あれだけ練習したウォーキングの成果が出せなかった。何が起こるかわからないし、コントロールできないのが本番のステージなんです」

 セミファイナリストのウォーキング練習を見学した際、美馬氏は「本番のステージのつもりで練習しなさい」と繰り返し、伝えていた。

「世界大会のステージは場数が踏めないので、どれだけ自信が持って臨めるかなんです。転んでもどうやって立ち上がって、パフォーマンスを続けるか。ミスをすることが大きな問題なのではなく、堂々と軌道修正できるかを見られています。自信を絶やさず、その場の雰囲気をいかに自分のものにできるかが勝負。練習はそのためにあります。日々の努力を惜しまない彼女たちだからこそ、自信を武器として、堂々と世界で戦ってきてほしいと願っています」

 新たなミス・ユニバース日本代表が決定するのは8月末。そして12月(※仮)の世界大会の舞台に立つ「日本を象徴するリーダー」は誰になるのだろうか。

【プロフィール】
美馬寛子(みま・ひろこ)/1986年12月5日生まれ、徳島県出身。ミス・ユニバース・ジャパン ナショナル・ディレクター。2008年のミス・ユニバース日本代表。ミス・ユニバース世界大会でトップ15、Best of Asiaの成績を修める。その後インターナショナルモデルを務める。2018年に日本人女性初となる「ミス・ユニバース・ジャパン」の運営権を取得し、ナショナル・ディレクターとして任命される。現在、女性リーダーの発掘と育成や女性の強さを世界へ広げるミス・ユニバース・ブランドのさらなる向上とともに、現代の日本人の魅力を世界に広める活動を展開している。

取材・文/渡部美也 取材協力/テンダープロ

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