「しばしフリー」のカンペで何かが起きるまで待つ 

 

ranjyatai_02

台本に記された「しばしフリー」の文言

 初回からやりたい放題なランジャタイらしさが爆発した。この回に限らず実質15分ほどの番組にもかかわらずオープニングが毎回長いのもこの番組の特徴だ。 

「基本的に『止めない』ということが、この番組における最大の仕事だと思っていて。行けるところまで行こうと思っているので、カンペも『しばしフリー』って出す(笑)。何かが起きるまで待つ。で、そろそろ限界だなと思ったら次の流れを出すという感じなんですけど、オープニングで1本行けるなら1本行っちゃっていいとも思ってます。 

 初回のときも『しばしフリー』。後で許可を取れたら流せばいいやと思って。取れなかった時のことを考えて、もう1回オープニングを撮ったんですけど、どちらでも行けるように撮って面白いところを使おうと」 

 基本的に「止めない」から当然収録時間も長くなるし、想定外のことも次々と起こる。2本分、つまり30分程度の放送尺のために6時間近く回すことも少なくない。もちろん、面白ければ臨機応変に3本や4本に増やすという。実際、7月に放送している「真夏のブチギレ王決定戦」は当初2本分を予定していたが、盛り上がりすぎて4本分、1か月全部が「ブチギレ王」になった。それでも5時間近くは削らなければならない。 

「編集が死ぬほど苦しいんです。とにかく密度を意識します。バラバラ大作戦は若い人が見るだろうし、テンポよく、1分間の中に笑いがどれだけ入っているかを目指します。めちゃくちゃドロドロの濃いものにする。だから大変です。これを落とさなきゃいけないのかって毎週地獄なんです」 

“未知の状況”を起こすための仕掛けは、台本上で 

鏡に写る自分にキレるバイきんぐの小峠英二

鏡に写る自分にキレるバイきんぐの小峠英二

 基本的に最初と最後がどうなるかという想定と何をやるのかという大枠の部分は台本で作ってはいるが、あまり細かくは作っていないという。 

「『現場だけを用意して、あとは自由に』というスタンスです。やっぱりこの番組の一番いいところって、ランジャタイさんもスタッフも想定していなかったことが起こること。その余白を残すために台本はあまり書いてないですね。 

 たとえば、タイトルコールがあって、『しばしフリー』。で、ゲストの呼び込みの順番も何もない。どんな順番で呼び込んでもらってもいいと。僕は半分ドキュメントのつもりでやっています。 

 ただ、1個工夫しているのは、たとえば『ブチギレ王』に小峠(英二)さんが出てくださったんですけど、“鏡に写る自分に向かってブチギレる”という企画をやったんです。何人か若手芸人の方もいる状況なので、普通だったら小峠さんは最後にやるんですけど、僕はあえて2番目にしておいたんです。 

 そしたらやっぱり2番目に指名された小峠さんは焦ってました(笑)。基本的に鏡に向かって『ハゲすぎだな!』『お肌ボツボツしてんな!』とか自分の悪いところを言うんですよ。でも2番目なのに、小峠さんは『悪くないね!』って(笑)。面白いんですけど、そういうひねりって全員のラストにやることだと思うんですよ。だから小峠さんも『2番目でこれはおかしいなと思った。もう1回やらせてくれ!』と(笑)。それがめちゃくちゃ面白かったんです。そういう見たことのない状況を起こすための仕掛けは台本でも作るようにしてますね」 

関連記事

トピックス

5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン