防犯カメラがとらえていた映像には、容疑者とみられた人物が映っていた。体格は小柄で、女性のような服装。そして、つば付きの大きな帽子を目深にかぶっていた。また入室時・退出時は異なる衣服で、退出時にはリュックサックを背負い、大きなスーツケースを引いていた。
一方、ホテルの部屋には浴室以外使用した形跡はほぼなく、遺体には身を守る際にできる「防御創」もなかったという。取材を続ける地元テレビ局の社会部記者はこう明かす。
「遺体がみつかった現場は浴室でした。第一発見者はホテルの従業員でしたが、男性がうつぶせになっているのを発見し、体が白くなっているのをみて通報したそうで、頭部がないことには気づかなかったそうです。その後駆けつけた救急隊員が、頭部がないことを確認した。
頭部のほか、被害者の服、所持品含めすべて犯人が持ち帰っているとみられている。ホテル内には被害者の手がかりになるものは身体、指紋しかなかったといいます」
被害者と容疑者らはもともと面識があったのだろうか。そしてどのように犯行を進めたのだろうか。謎が残るばかりだが、捜査関係者が事件について一部を明かす。
「被害者と田村瑠奈容疑者は、事件前から面識があったと聞いている。被害者が事件前に訪れていたディスコとは別のディスコで顔を頻繁に合わせることもあった。
見立てでは容疑者が殺意を持ってホテルに同行した可能性が高い。被害者に恨みがあったのではないか。容疑者たちの役割分担については捜査段階にあるが、父親が娘を車で送迎した可能性も含め捜査を進めていく。瑠奈容疑者は小学校の高学年の頃から不登校だったようで、父親が医者ということもあり、食べていくには困らないが苦悩を抱えていた家だったようだ」
警察は父親がホテル内には入っていないとみて調べを進めており、被害者の頭部や所持品・凶器の行方などを捜索中だ。防犯カメラに残された映像、そして犯行の“謎”についての解明が待たれる。