ライフ

就活 「好き」より「向いてる」仕事発見なら劇的にうまくいく

本格化してきた2013年度の新卒採用。 作家・人材コンサルタントの常見陽平氏はモニター調査で学生たちのエントリーシートを読んだり模擬面接を通じて、「やりたいこと、好きなことより、自分に向いている就活を」とアドバイスを送る。

 * * *
 例年より遅れて始まった2013年度の新卒採用ですが、2月に入り本格化してきました。期末試験も終わり、学生の皆さんも本格的にアクセルを踏み始めました。説明会にエントリーシートの提出と、学生の皆さんも人事担当者も大忙しのようです。

 学生さんは日々、就活に追われていますが、人事担当者も大変です。人事部は事業部門に「残業や休日出勤を減らすように」と呼びかけていますが、その人事部の採用担当はこの数カ月は残業、休日出勤の嵐です。・・・私も現役時代は22日連続出勤したことがあります。死にそうになりました。

 毎年のことですが、就活初期段階の学生は「考えが甘い」のが当たり前。こう書いた瞬間に「若者はかわいそうだ!」と言い出す人がいるわけですけど、人事のドライな立場から言うならば、働く覚悟のある学生を採りたいわけです。

 弊社の方で、学生のモニター調査を兼ねて学生のエントリーシートを読んだり、模擬面接をしたりという活動をしているのですが、正直なところまだまだですね。初期段階だからしょうがないとはいえ、エントリーシートは日本語として成立していないこともよくある話です。さらに、毎年のこととはいえ、「○○が大好き」「○○に関わりたい」「○○を実現したい(根拠のない夢)」など、好き、憧れだけの志望動機もよく見かけます。

 学生と社会人の違いは、何にしても自分の都合だけでなく、相手ありきだということです。もちろん、滅私になりすぎてもパフォーマンスが低下してしまうのですし、最後は好きという感情、熱が必要なのですけどね。「相手にとってどうなのか?」「自分がやる意味は何なのか?」「自分を採って相手が得をするのか?」という観点を加えるだけでだいぶ変わるものです。

 憧れだけで業界、企業、職種を選ぶのは早めに卒業しましょう。求められる力がないと選ばれないわけですし、入った後がきついですよ。

「昔からのあこがれで、どうしてもCA(キャビン・アテンダント)になりたいんです」「幼いころからワンちゃんが好きで、だからどうしてもペット業界に行きたいです」

 特に女子大生を中心にこんな声を聞きます。CAはともかく、「ワンちゃん」と言い出したのにはひっくり返りそうになりましたが。私はその度に、よく考えるようにアドバイスします。

 特にCAの場合は先輩を紹介する、厳しい現実を話すなどしています。憧れる気持ちはわかりますけど、対人コミュニケーションが苦手、臨機応変に対応できないなど、明らかにむいていない人もいるわけです。気づいてもらえるように仕向けます。

 やりたいこと、好きなことよりも向いていることに気づくと就活は劇的にうまくいくのですけどね。今年は就活のスタートが遅かったので、それに気づくのが遅くなることを人事も大学も懸念しております。

 そうそう、悩める皆さんを応援すべく、就活を終えた先輩たちが考えたノウハウ、ヒントをまとめた本『困ったときに本当に使える就活のヒント100』(マガジンハウス http://www.amazon.co.jp/dp/4838723997/)を発表しました。常見陽平責任編集です。困ったとき、悩んだときに手にとってくださいね!

関連キーワード

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン