ライフ

若手育成には北方謙三流「言葉の張り手」必要と人材専門家提案

 企業の現場で、伸びない若手をどう育成するのか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏は、北方謙三氏の名ゼリフのような「言葉の張り手も必要」と唱える。

 * * *
 突然ですが、皆さんは「試みの地平線」を知っているでしょうか?『ホットドッグ・プレス』(講談社 ・休刊)に連載されていた作家北方謙三先生による人生相談コーナーです。相談に対する返答、「ソープへ行け!」はあまりに有名でした。ここで言う、ソープとは水泳選手のイアンではないです。ランドです。

 以前、このNEWSポストセブンに北方謙三先生のインタビューが掲載され、その際、先生は「ソープは行け!と言ったのは4回だけ」だと語っていました。うーん、がっかりしましたね。その10倍以上言ってます。
 
 私の手元に『ホットドッグ・プレス』の500号記念号(2001年3月26日号)があるのですが、これによると、1986年の連載開始から2001年のこの号までに「ソープへ行け!」と言われた人は実に累計59人。連載が終了したのは翌年の6月10日号ですから、おそらく60人以上の人がソープへ行かされたことになるでしょう。
 
 いや、中には「タクシーに乗って“堀の内!”と叫べ」(92年7月25日号)のように変形バージョンもありましたから、もっといるでしょうね。87年、88年のようにゼロの年もあれば、過去ギネスとなる98年の9人、92年、97年の8人など激しく多い年もありました。
 
 だんだん定着してきて、連載後期には相談者も「先生は“ソープへ行って免疫をつけろ”とおっしゃるでしょうが・・・」(01年1月8日号)というように、言われることを予測してきた人もいました。定着していますね。
 
 この「ソープへ行け!」という名台詞、かなりのトンデモ発言です。著名な作家がこんなことを連呼していたとは・・・。講談社で元ホットドッグ・プレス編集部の方に直接お伺いしたのですが、連載開始当初の先生は売れ始めた頃だったそうで、連載後期には大御所になっていたとか。最後の方は、この方にこういう内容の連載を持って頂けるなんて・・・という状態になっていたわけですね。
 
 今なら大炎上ものでしょう。この連載において、恋愛ネタは質問の30%、性の悩みは12%をしめていたわけですが、そもそも生身の女性が苦手でこわくてたまらない子羊たちにソープへ行くことをすすめること自体がとんでもない矛盾ですよね。しかし、凄まじい張り手であることは間違いないです。
 
 最近の職場の悩みといえば、若手人材の育成です。その背景には、若手を育てることのできる上司、先輩がいないことがあげられます。そして、パワハラだと言われるのがこわいなどの理由から、ついつい良い人ぶる上司だらけになることも。いや、パワハラは問題なのですけどね。
 
 若者から慕われたよい兄貴、北方謙三先生のように、「ソープへ行け!」的な言葉の張り手、これも時には必要なのではないでしょうか。さらに、ソープ代を経費か自腹で払ってくれたなら最強ですが(さすがに、問題です)。愛のムチ的な言葉の張り手力、身につけたいところです。

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン